全体を流れるのは、父親の娘に対する深い愛情というところ。静かに流れていく文章で秀作。
良いものはやはり良いでしょう・・観戦スポーツでも一生残したいモノってそんなには出会えないんじゃないですか。その一つが絶対これですよ。感激と感動と・・王監督も素晴らしかった、イチローも松坂もその他の参加選手みんなみんな素晴らしかった。いつまでも語り継がれるであろうこの偉業をリアルタイムで体感できたこと本当にシアワセでした。その雄姿を2006年春の記憶として残しておきたい、語り継ぎたい・・。そしていつでも会いたいときにまぶしかった彼らに雄姿に出会いたい・・・。
これは今年もっとも涙腺ゆるませた本かもしれません。
彼女の描く「父・幸田露伴」が本当に好きなんですよね…
食べる、という生きる根幹と家族との思い出とが、
優しく、鮮やかに描かれています。
幸田露伴のくそジジイぶりが、最高におかしい! 頑固なまでに、細部まで心が行き届いた“完璧な家事”を要求する幸田露伴。 それを完璧にやりきる母と、どうやってもできない孫娘の構図がユーモラスに描かれています。
子供だからと泣いたところで許されず、できるまでさせられる教育法。 逃れるすべはただ一つ、うならせるだけの機転のきいた切り返し。 難しい!!! そして、その上を行く幸田露伴の理不尽な発想が最高におかしい。 昭和初期の文豪の家での出来事。 ぜひぜひ読んでみてください。
青木玉の九つの対談集になっています。 内容は、幸田一族の話、幸田家の生活、躾の話等で、すべて幸田露伴、幸田文、青木玉の三代に渡る著作の背景にかかわる話です。
この本を読んでいると、幸田一族の凄さが解りますし、そこにおける露伴の位置づけなどが解り、興味深いものがあります。 それと同時に、そうした家族環境の中での娘文、孫娘玉と露伴の関係も、かなり見えてきます。
それにつけても、幸田文と言う人の「強さ」を感じずにはいられません。 厳しい露伴の教え、弱い夫との離別、病弱の玉。 押し並べて、すべての面倒みが文のところにあったようです。 病気を押して、露伴のわがままを聞いて、伊豆まで伊勢海老を求めに行くところなど、「強さ」以上のものを感じます。 それがあるからこそ、44歳になって著述を始め、しかもあれだけの作品を残すことが出来たのでしょう。
この本を読んで、改めて幸田文の著作をすべて読みなおしたくなりました。 きっと、最初読んだ時とは違って、深いところまで読み込めるような気がします。
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