性格が正反対の姉妹が、結婚をし、夫人になるまでの過程が書かれています。 この本を読んで感じた事は、分別と多感、どちらが一番良いかではないという事。 分別がある姉と、多感な妹。二人共、長所だけではなく、短所も見られました。 どちらかに偏るのではなく、分別と多感、両方持ち合わせることが大事なのですね。 この時代は、イギリスに限らず、政略結婚が多いイメージがありましたが、必ずしもそうではないのだなと感じました。 魅力的だった登場人物は、パーマ夫人とブランドン大佐です。 パーマ夫人は、夫に夢中で、まさに理想の夫人です。 私も結婚をして、そんな夫人になりたいと思いました。 ブランドン大佐は、紳士で目立ちたがらず、私の永遠の憧れになりそうです。 この物語は、現代小説のような、胸の高鳴りは望めませんが、気持ちを安らかにしてくれます。 自然と、立ち振る舞いも上品にさせてくれます(笑) 翻訳については、読みにくい部分もありましたが、ゆっくり読めば理解できます。
ジェイン・オースティンの『分別と多感』を原作としたロマンス作品。
原作が、『山あり谷ありで、真の愛に落ち着く』という恋愛ドラマの定石を作った 超王道小説ということもあって、この映画もしかりです。
わたしはアン・リー監督の『ラスト、コーション』が好きで、 その流れでたどり着いたのですが、そちらとはまた作風が違っていて とにかく原作の持つ雰囲気を大切に映画を作っているなあと感じます。
女優陣が、古きよきイギリスの風景をバックに、 ロマンスに振り回される姿も美しく。
特にマリアンヌ演ずるケイト・ウィンスレットが、 恋焦がれるウィルビーの居城を目指して、一面緑の庭を駆け抜け、 豪雨に身をさらしながらシェイクスピアを読み上げる・・・ この一連のシーンには、そこでしか出来ない景色・表現であることが まざまざと感じられ、感情を揺さぶられました。
いまどきの恋愛映画に多い、政治や世相、サスペンスのエッセンスなんかが まったく織り交ぜていない(笑)純粋なロマンスが描かれているので そういった期待をもって観られる方には、ニーズを存分に満たしてくれる、 そんな良作です。
オースティン作品の良いところは、
本当に「老若男女とわず、家族で見ていてオッケー」であるところだ。
恋愛がモチーフであるのに、刺激的な性のシーンは一切なく、
暴力的描写もまったくない。
さらに“日常”にある世界を体現し、男性も女性も品性をもちながら「人付き合い」している。
物語がすすむにつれ、ドキドキそわそわさせながらも、おせっかいなおばちゃん軍団や、彼女たちに知りにしかれがちな中年男性軍の存在が圧巻♪
そして、若く逞しいジェントルマンと可憐なレディたちも見ていて心和む。(だからといって「良い人」ばかりでないところも、オースティンの人間観察の妙なのだ)
あらゆる年代層を巧みに登場させ、それぞれ個性的な存在感と台詞をあたえておきながら、「人間」が起こす悲喜劇のありのままを見せてくれる。
昔レンタルで借りてきていたら、いつの間にか留守中に家族そろって夕食中に見ていたのだな。“女の作品”と思われがちだが、父親が「面白かった!」
と連呼していたのが印象的。オースティン、かくあるべしっ!
by 小宮山隆央
エドワードがダッシュウッド姉に自分の結婚しなかった顛末を語るときのダッシュウッド姉の見せた驚きと喜びの受け止め方は、何といい著したらよいかわかりません。
演技力の素晴らしさもありますが、積年の思いが果たした喜びを表すその仕草は、小説ではいい著せないものではないでしょうか、映像表現の素晴らしさを感じます。
小宮山隆央
派手さはなく、じわじわと染みてくる一枚です。北海道はもう冬景色なのですが、外の風景に意外にマッチします。 テンポがぴったりなのか、スピードが出るわけではなくゆったりと運転できるのが不思議です。 井上陽水さんにも同じような企画物がありましたが、このクオリティの高さには、誰もついてこれないと思います。
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