ブラッド・ピットの代表作となったこの作品は、現代社会に飼い慣らされて、夢も希望もマスメディアから仕入れるようになった我々に、目の醒めるようなパンチをお見舞いしてくれる。 与えられたものだけを受け入れ、保証を得ることを喜びとし、ただ安全に生きられたらそれでOKなのか? ビジネス第一、消費文化バンザイの時代を鋭く抉った、現代社会サスペンス映画の傑作。
おなじみジェームズ・ホーナーのスコアは勿論、 最後のトラック(テーマ曲)ではジョシュ・グローバンが歌っているのでチェックしておきたいところ。作曲は「タイタニック」コンビのホーナー&ウィル・ジェニングス、プロデューサーはこれもおなじみデイヴィッド・フォスター。 来年のオスカー、いけるかもね。
製作当時、ほぼ全員30代という監督、原作、出演者らによって作られた「ファイト・クラブ」は、テクノロジー、メディア、資本主義がもたらす現代男性の精神的去勢感、“種”としての男の存在意義、そして女性への愛というテーマを、鋭い洞察と批判的視点をベースに、刺激的かつ緻密な映像と音楽で描ききった、20世紀最後の傑作だ。
個人的にも大好きな作品なのだが、ブルーレイに関しては、画質や音質の高い評価に加えて廉価であるにも関わらず“何かが足りない”と思っていたところに、このスチール・ブック仕様の登場。
今まで「スチール・ブック仕様なんて、既存の商品の外箱に付加価値をつけたカタチだけのものじゃないか」とか軽く見ていたくせに、商品画像を見た瞬間、購買欲のド真ん中にストライク。
「ファイト・クラブ」は、カタチから(も)買わせていただきます(作品のテーマと逆行するけど)。
2011年のナンバーワン作品です。
この映画は、ハリウッド的ではない、命とは何か、を観ている側に問いかけてきます。
それはとても解決できるようなことではないですが、
こちら側に明日を生きる、ということを教えてくれる作品です。
非常に難解な作品ではあり、賛否両論になっていることも納得ですが、
3.11後、考えなければいけないことがこの映画に詰まっているので、
是非観ていただきたいです。
個人的には大好きな作品ですが、人によっては暴力描写が耐えられない
かもしれません。耐性のない人やお子様は、視聴を控えたほうがよさ
そうです。それにしてもな・・・復讐に燃えるダークヒーローはアメコミや
ハリウッド映画の定番ですが、ここまで低年齢化が進むというのも時代の
要請なんでしょうか・・・ちょっぴり複雑な気分です。
シネスコサイズ。画質的には、わりとフィルムグレインが乗った感じです。
dtsHDマスターオーディオは英語音声のみ。吹き替え版はステレオ音声
となります。
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