PC用サウンドノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』の第2編「綿流し編」をCDドラマとして再現。豪華な声優陣と原作再現度の高さ、CD4枚組み、総収録時間5時間以上と言うボリューム感等がウリとなりますね。
原作は現在第8編中7編までリリースされており、全てをプレイしていますが、この「綿流し編」が一番無理のない、よくこなれたストーリーだと評価しています。この編に限れば、ミステリーとして充分推理可能だし、ラストなどは、いかにも"ホラー"と言った展開で締めくくられ、まとまりの良さを感じさせます。前半少々冗長感があるのですが、転調以降の展開は前作よりも原作の緊迫感がちゃんと表現されていたと思います。それでも原作の迫力には及びませんが、これは受身にならざるを得ないCDドラマと言う媒体の性質上やむを得ないでしょうね。ちなみにこの編に限った謎解きは、第5編「目明し編」でほぼなされていますので、どうしても知りたいと言う方は、そちらをプレイしてみてください。
また、「園崎魅音」役の雪野五月嬢の演技力、表現力が実に素晴らしい。非常に困難な役どころを見事に演じあげたと言う印象です。「竜宮レナ」役の中原麻衣嬢も、メインだった「第1編」を上回る好演だったと思います。個人的には「前原圭一」と「大石蔵人」に違和感を感じているのですが、これは好みの問題ですね。
平成18年4月からはアニメ版も放送されるわけですが、少なくともメインキャラについて、このCDドラマ版と同じキャスティングが発表されたと言うのは大きな朗報ですね。アニメと言うさらに制約の大きな媒体で、どのように『ひぐらし』の世界を構築し表現するのか、興味深く待ちたいと思っています。
この「綿流し編」の作画担当者の方條ゆとりさんは、同じコミックで「迷想区閾」という作品を書いていた方です。絵もとてもきれいで初めてひぐらしを読む方にも読みやすく好感がもてる絵だと思います。
特設ホームページで「この謎は悪質。あなたはきっと騙される」とかかれてありましたがそのとおりな展開です。連載も終わりに近くなっていますが泣ける展開になってきています。買って損はないと思い☆5つ。
文庫本にもかかわらず挿し絵がカラーでとても綺麗です。
原作と違うところが少しだけありますが、面白さは全く変わっていません。
美麗なイラストがさらに感情移入させてくれます。
ひぐらしの名場面の一つ嘘だッ!もカラーで描かれているのは嬉しいですね。
内容は講談社の講談社BOXというレーベルで出ていたものとほぼ同じです。
問題はここなのです。
講談社BOXでイラストも表紙以外は白黒で1000円〜1600円で
ひぐらしシリーズは出版されていましたが、
今回の星海社という新レーベルの立ち上げに際し出版された星海版は
値段も安く講談社BOX版より豪華です。
正直、こういうものが出ると分かっていたなら講談社BOX版を買いませんでした。
こんな売り方はファンをただの自社の利益をあげるためだけの道具と
思っているのではないかと思ってしまいます。
作品自体は最高のものなのに講談社のせいで
チープなものに感じてしまいました。
田舎の山間にある雛見沢村を舞台に、そこで起きる連続怪死事件の謎を描いた『ひぐらしのなく頃に』。
出題編となる第一話から第四話まで収録されています。
「惨劇に挑め」をキャッチフレーズにしており、物語の登場人物だけでなくプレイヤー自身もこの物語の謎に挑めるような作りになっています。
何を推理するのかすら提示しておらず、どうやって挑むのかもプレイヤーの自由。
豊富な推理要素による懐の深さはひぐらしの大きな特徴と言えます。
難易度も充分過ぎる程に高く、例えば第一話の鬼隠し編の正答率は僅か1%と言われております。
ヒントは作中で無数に散りばめられているのでキャラの言動だけでなく世界観や設定にも気を配って読むと突破口が開けるかもしれません。
和風ホラーやミステリーの要素を含んでおりますがそれだけが全てではありません。
詳しい事は解答編で明らかになりますが、ただのホラーやただのミステリーで片付けられない展開が待っています。
キャラクターグラフィックは良く言えば個性的、悪く言えば下手と言う評価が多いです。
しかし恐怖シーンではその空気とはミスマッチなシュールさが逆に怖さを引き立てており、キャラが豹変する時のインパクトは絶大です。
このシリーズの最大の特徴はプレイしている間は勿論楽しいですが、プレイ後に推理したり、誰かと内容について語り合ったりして楽しむのを意図して制作されている所です。
出題編が終わったらすぐに解答編を始めるのではなく自分自身で推理して是非謎に挑んでみて下さい。
サウンドノベルという枠で終わるか『ひぐらしのなく頃に』という新たなエンターテイメント作品になるかはプレイヤー次第です。
~作風がマニア向け(ギャルゲーの1種)でもある為、外見の判断で敬遠される方がいるかと思います。 しかし、当作品は骨太のミステリーです。 推理小説が好きな人には、是非とも原作を一読して欲しいです。 原作は同人ソフトである為、購入経路が非常に限られています。 その為、原作を体験せずに当ドラマCDの購入を検討される方がいるかもしれません。 も~~し、そのような方がいれば、原作を一読するまで購入は控えるべきです。 原作を読まずして、このドラマCDは楽しめません。 そう断言してしまうほど、このドラマCDの出来は良かったと思います。~
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