色々な雑誌で発表された作品をよく一冊にまとめて発売出来たなと関心します。
右から読む作品と左から読む作品をまとめたのもいいと思います。
年代が別々で作風が違うのも面白いですね。
表題は第二次大戦中に目撃された「謎の火の玉」ことフー・ファイターをテーマにしたマンガです。普通の軍記ものをイメージして読んだらちょっととまどうかもしれません(でもあとがきを読むとこの手の話が作者のお気に入りらしい。新連載も超常現象がテーマだし) 二本目は連載時のものを加筆訂正しているので「当時読んだからいいや」という人も必見です!
「16世紀
中世とも近世ともつかないその時代 イタリア諸邦の都市国家軍は 近隣諸国間の脆弱な勢力均衡の上で 繁栄を誇っていた しかしやがて その肥沃な大地と文明は 領土拡張に動き出した諸大国の 脅威にさらされることになる イタリアは 統一国家としての形を見出せないまま 何度となく他国軍の蹂躙を許していた」 北イタリア。ロンバルディア戦線。
フランス軍VS教皇軍(セッシア都市国家郡、ミラノ公国、他)の戦い。
方陣、長槍による歩兵、従兵、砲兵、騎兵が理によって整然と戦う。 また諸勢力内部のいさかい、傭兵を扱う難しさ、どこか牧歌的であるが 非常に生臭い駆け引き。16世紀のイタリアにおける戦争とはこのようなものだったのかと読者を瞠目させる。
主人公の女性騎士団長、女性の砲兵部隊長を軸に話は展開される。2巻が待ち遠しい。
歴史好き、または漫画「ベルセルク」のキャスカ、「風の谷のナウシカ」のクシャナ、「皇国の守護者」のユーリア。戦記好き以外でも、彼女たちが好きであれば一読の価値はある。
漫画として可視化された非常に緻密かつ大胆な戦争絵巻、得とご覧あれ。
傑作。
冒頭は占守島の戦いからはじまる。占守島って一体どこよ?と思う方は いますぐにネットで調べてもらいたい。終戦後にあった知られざる戦い である。戦闘終了後からはソ連抑留の歴史がよく学べる。興味をもった 方はぜひ、舞鶴市にある抑留記念館に行ってほしい。さらに学べるはず だ。つぎはお待ちかねのドイツ戦車兵の戦いぶりだ。体に染み込んだ戦 闘マシーンとしてのドイツ戦車兵のうごきがリアルに表現されている。 ドイツものだと小林氏が有名だが、わたしは戦車の戦闘をこれほどまで に表現した作品を知らない。主人公の将来については悲観的な見方をし てしまうが、こんな時代を生きた奴もいるのだろうと想像するのは歴史 を振り返る意味では悪くない。
前巻で負傷し床に就いたロザリアに伴い、前半は戦闘より権謀術数を扱うエピソードが増えますが、いよいよ中盤からはロザリアとローザ姉妹が勇気とケレン味たっぷりの策略で危機を脱するエピソードで大いに盛り上げ、後半は遂にフランス軍(重装騎兵部隊&スイス槍兵部隊)と、主人公側の教皇軍(ドイツ砲兵&スペイン銃兵部隊)の全面対決に突入します。
そこは数々の戦記物を描いてきた作者の面目躍如、砲弾で無残に四散する騎士や槍持て戦う騎兵戦等、リアルながらカタルシスも感じられる素晴らしい描写で魅せてくれます。
それにしても主要女性キャラの変貌振りは凄まじく、作者が後尾オマケ頁で自己分析をしている程でした。初期のリアルな劇画調から、この巻の殆どアニメ、少女漫画絵と言って良い程デザインが変わって行く様子が追えて興味深いです。
それでも約2年待った甲斐が有りました。滝沢聖峰さんのファンの方、ドラゴンや妖精の出てこないちょっとリアルな中世仮想戦記がお好きな方には大いにお薦めです。
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