2010年5月25日
作者の大迫純一氏が病気のため逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。
シリーズすべてを通して読むと、この巻では
とても感動できます。
一区切り付く巻です。
ぜひシリーズ全部を読んでみてください。
全体的には非常に読みやすい文章だった。また的確な描写力も光る。
SFやファンタジー小説の場合、日常的には存在しないもの、モンスターや兵器が登場する。作家はそれを文章だけで読者に伝えなければならないのだが、ラノベの場合、残念ながらそれが的確に出来ている作者は少ないと思う。大抵は、ちょっと考えなければ理解できなかったり、そもそも伝える気が無いと思われるような描写も多い。
しかしこの小説には、そういう所がほとんどない。未知なものを描いているにもかかわらず、その形や雰囲気がすんなり伝わってくる。これは作者の力量が優れている事を示していると思う。
だが、いかんせん古い。キャラクター設定や敵の設定、話の進め方、等々。どこかで見たと言うよりも、この手のストーリーをよく見る者としては、最大公約数の集まりというか、定番の集合体の様な印象を受けてしまうのだ。
王道と言えば聞こえはいい。しかしたとえて言うのなら、王道は人間、キャラクターや設定は服だと思う。服を変えればとりあえずの印象は変わる。だが中身は変わらないので安心できる。よって王道そのものを否定するわけではないし、むしろ一つのジャンルとして好感を持っている。しかしこの小説の場合、着ている服自体も古いのだ。
すべてが既成の品と変わらないので、ストーリーの先も見えてしまう。冒頭で繰り広げられるシーンは、実際は後の方で描かれるものなのだが、ある程度、SFやファンタジーを見ている者なら、出オチに近い感覚を持ってしまうのではないだろうか。冒頭にこのシーンがなければ、王道といえども、ラストにある程度の感動はあったと思う。
偶然かもしれないが、最近呼んだラノベの幾つかには、こういう手法、後の方に出てくるストーリーの一部を冒頭で少し披露する、といったものが使われていた。読者の興味を喚起する意味で有効なのかもしれないが、使用法を間違えると興ざめになるので一概に良いとは言いかねる。
またヒーローものとしては、いささか進行が遅い気がする。たとえば昔のヒーローものでは、三十分番組の場合、最後の五分くらいになって、ようやく変身し、敵を倒すというのが定番だったと思う。この小説をそれにあてはめると、一時間番組の最後の七〜八分に、ようやっと主人公がカッコよく活躍するという感じだ。
もっとも、言い方を変えれば、それでも最後まで楽しんで読めたのだから、やはり文章力が優れているという事になるのだろう。それだけに本当に全体的な古さは残念だ。設定やストーリーの流れに、どこか一つでも独特のものがあれば、☆4つになったのだが。
実質☆3.5
サイボーグとして生まれ変わった丈は持ち前の格闘センスでゾーンとの戦いへとまきこまれていく。
熱いです。かっこいいです。
順次登場する3人のヒロインたちも、それぞれ魅力的だし、アクションシーンもハラハラします。
本作はアフタースクールにて登場のお馴染みの「三姉妹」とツエシロ大尉が出て参ります。正直ポリ赤のみですと誰?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この機にアフター買ってはどうでしょうか...十作目はついに物語が動き出します。そして、今まで語られることの無かったクチバカオルの真実や、ディエスの生い立ち、そして神器を失った世界の行く末。それらを手掛ける壮大な榊ワールドを堪能したい方は是非この一冊を
今までに発表された短編がまとめて読めるのは良いですね。
未発表だった短編も相変わらずの「らしさ」で○です。
大迫さんだけでなくいろんな人の思いがこもっているであろうこの1冊。
ここから「ポリ黒」「ゾアハンター」に入って行くのもいいと思います。
個人的には内容はもちろんのことBUNBUNさんの口絵に涙が出そうになりました…
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