東京荒川区の高層マンションの2025号室でおきた殺人事件を追ったルポタージュ形式のミステリー小説。
ミステリーといっても、ただ事件の謎の紐解きをする小説ではなく、事件に接点のある人々の過去から生活、考え方にまで焦点をあてて
詳細に描写しており、それぞれの登場人物が必然と偶然が絡み合って接点が生じ、一つの出来事に結びついてく様を見事に表現しています。
言い返せば、この事件の背景にはこれだけの要素があるということでしょうか。
また、この小説の中で、不動産に関する法律の抜け穴をめぐる争いや占有屋なる人たちがいるのを知りました。
小説の形式自体が異なりますが、
「火車」は、登場人物の生活や描写とミステリーがうまく融合し、
最後まで一気に読ませてしまうものがあったのですが、
「理由」は、登場人物の描写に重きがおかれて、
読者を休まずに読ませる小説のもつ勢いといったものが若干色あせてしまった感があります。
とかく抽象的な議論に終始し具体的イメージが沸きにくい手続法である民事執行法を,東京地裁民事執行センターの裁判官と書記官が,書式や記載例等を豊富に引用しながら,手続の流れに従って記述した実務書。近時の法改正を盛り込んで最新の内容にしたもので,まさに民事執行実務書の決定版である。不動産編2冊と債権編2冊から構成されるこのシリーズを持っていれば,不動産執行及び債権執行の実務で発生する問題はほぼクリアーできる。民事執行に携わる裁判官,書記官,弁護士,そして金融実務家に胸を張ってお勧めできる内容になっている。
とても参考になりました。 競売に対して、安く購入もできますが、また難しい点も出て、その点に対して参考になりますた。
資産・・土地や建物・絵画・宝石・・(目に見えるもの・銀行に担保提供できるもの)
財産・・信用・人脈・経験・技術・・(目に見えないもの・銀行に担保提供できないもの)
大事なものは目に見えないものである、と堂々と言い切り、
大事なものを守ることが結局はピンチを切り抜ける突破口へとつながるのだ、と教えてくれる。
本書に出てくる様々な実例はこの考えに基づいた形で解決をしており、
「なるほど」と納得すると同時に清々しい気持ちになる。
民事再生手続きや自己破産をしてはいけないと強く主張している。
大事なものを失うことになるから。
大事なものを守るために考え、最大限に努力することを勧めている。
「中卒」「年収一億」というキャッチーなコピーで「私もやれるかも!」と
本書購入への敷居を思いっきり下げているのが凄い。
反対に「中卒でも」というコピーに引っかかって買った人たちは学歴信仰の罠に
嵌って、常に賢者にカモにされ続ける気の毒な人たちである。
著者の凄いところはプチバブルが弾けつつあった2007年(ということは2006年には企画が
始動してたのだろう)に本書を出して、家賃収入以外の「印税収入」というちょっとした
稼ぎも確保したところにある。恐らくデフレが再び深刻化し、保有物件の老朽化による
賃料収入の減少を見越していたのかもしれない。また以前やっていたような借金して
激安物件購入→満室の人気物件にして高値で売却という手法は今は通用しないだろうし。
(ちなみに著者は肝心の融資については殆ど触れていない。ここがポイント)
逆に本書を読んで2007〜08年の高値で物件購入に踏み切った人たちは、結果的に損失を
抱えているのではなかろうか。それはタイミングも考えず真似した人たちが馬鹿なのである。
要は「金持ち父さん〜」にも言えることだが、他人の成功事例を後追いしても必ずしも
儲からないし、むしろ失敗する可能性のほうが遥かに高いということだ。
著者の偉いところは人の行かぬ道をあえて進んだことにある。それを確認できただけでも
本書は値千金である。著者は今は仲介・管理の業者を営まれているということだが、それも
また上手いと言う他ない。
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