過去にリリースされた楽曲を、リテイク・リアレンジ・リミックスしたアルバム。そのせいか、ANATAKIKOUの他のアルバムとは一線を画す雰囲気があります。全体的に丁寧に創り込まれた感があり、豊かな感性はある種衝撃的です。ロックな曲や、ニューウェイブな曲もあるのですが、このアルバムの個性としては、小さい頃好きだった童謡を思い出させてくれるような、聴いていると情景が浮かんでくる音作り&作詞だと思います。長きに渡って楽しめる一枚だと思いますし、特に、音楽聴くのに飽きちゃったという人にはお勧めです。
新しい体制になってからの、はじめてのアルバム。 一時はどうなることか心配でしたが、3年半ぶりのCD嬉しすぎます。 “奇異”と“稚児”で「きい ちご」という、さすが 筋縄ではいかない彼らの音を思う存分聴ける1枚だと思います。
「ぼんやり、雨」のまさにぼんやりと見える情景の切なさや、 「てのひらに」の映画を1つ見終わったような余韻。 そういう胸にキュンと響く曲もあれば 「アニマルはマニュアル」はちょっとクスっとするけど 元気をもらえるような曲、「RUNAWAYFROM」では かっこよくて震えるような中毒性を感じたり。 「曖昧な天国に捧ぐ」や「 木苺の夜と戯れ」は 今までのアナタキコウにはないアプローチなんではないかと思います。 とにかく全曲全部詳しく書きたいくらい、 それぞれの味があって、ワクワクして切なくて とても愛おしくて、何度も何度も聴きたくなるのです。
アルバム全体的にも、音がシンプルになり その分の、すき間や息づかいなんかが、 とってもリアルに、ライブに感じられる、 まさに「今」の彼らの音。 一人でも多くの方に響くことを願ってやまないです。
『リリー』で華々しくデビューしたANATAKIKOU待望のフル・アルバム。 どきどきしながら聴き始めたのだけど、期待を裏切らない素晴ら しい出来。 疾走する1曲目。『いけないところで 言うわ!』な 4曲目まで秀曲ぞろい。5曲目で落ち着かせて、後半へと誘い ます。 最終曲の『幻想港町』は何回か聴くといかにもANATAKIKOU らしいなとつくづく。 ダブルボーカルで、それぞれが作詞作曲を手がけるというユニーク なバンドですが、松浦さんは、ひねくれポップス職人的なところが あり、XTCのアンディパートリッジ的イメージ。そうすると、北條さんは、 比較的オーソドックスで渋めなコリン・ムールディングか? しかし、北條さんの存在感はどんどん増している。 『ヌルイ雨』『パンとホープ』は特にいい。 願わくば、『リリー』を越える衝撃をもった曲をつくってほしい。
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