ホリーが、大きな構成のバンドと演奏した作品集。若い頃のヴォーカルにくらべ、格段に無駄な力が抜けて歌唱力アップ。雰囲気のかもしだし方も更に一段と進化。しかし、今までのトリオでの演奏ののシャープアンドソフィステケイテッドな雰囲気がお好みな方には違和感があるかも。なんだか古き良き時代の懐かしのジャズっていう感じでした。
パリがお似合いのオードリー、粋で上品なC.グラント、テンポ良くムードもあるH.マンシーニの音楽にミステリーの味付けがされ、全てが「おしゃれでゴージャス」という言葉が相応しい名品。脇役もW.マッソー、G・ケネディ、J・コバーンと豪華で、出演者の持ち味も充分活かされ、テンポ良い演出も小気味良く非常に贅沢で、今ではこのような作品には滅多にお目にかかれないと思う個人的にお気に入りの一つです。
木全信プロデュースで、サイラスのピアノだから売れ線狙いのスタンダードがゴロゴロだ。と、思ったら正にその通りだった。とはいえ、やっぱりサイラス=木全コンビはいいねえ。スタンダードと言っても、ヨーロッパ系のピアノトリオよりはずっとジャズを感じさせる。例によって、ベースのジョージ・ムラーツ、ドラムのルイス・ナッシュだから悪くなりようがない。やっぱり5つ星をつけるしかない。(松本敏之)
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