古い古い戯曲なのですが、今読んでも面白い! 「守銭奴」アルパゴンのごうつくぶりは読んでいると、よくまぁこんな次々と思いつくなぁとほとほと感心してしまいます。 薄くて、すぐ読めてしまうので、何度も読んでしまいました。
ガメイ品種は渋いボジョレーヌーボーのイメージがあって、あまりおいしいと思えるものが少なかったのですが、 このワインはそのよくないガメイのイメージを大きく覆されました。 すごくフルーティーで、イチゴ、ラズベリーのような、エレガントな香りと味わい。 ブルゴーニュの中でもエレガントな地域のワインに近いものを感じます。 だまって出されると、ピノノワールと錯覚してしまうような…。 ボジョレー地区の中でもフルーリーはエレガントなワインができるということを聞いていましたが、本当です。 この値段で買えるブルゴーニュルージュよりも、クオリティは高いんじゃないか、そう思わせてくれるワインで、 ごくごく飲んでしまいました。
古典主義の三大作家の一人モリエール。 そのモリエールが喜劇作家として大成するまでに実は空白の期間があり、 果たしてその間、彼に何が起きていたのか・・・というのが大まかな筋なのですが。
いや〜、面白い。 久々にやられました。
映画の素材となっている『タルチュフ』などのモリエール作品が喜劇ということもあってか、 コメディタッチで上流階級のいびつさが表現され、 クスクスと笑える場面を盛りこんで、話は進んでいきます。
(ちなみにわたしはこの映画を観るまでモリエール作品は全く読んだことありませんし、 さほど興味もありませんでしたが、抵抗なく鑑賞出来ました)
そのコメディと並行し、モリエールとその周辺でも巻き起こる いくつかの恋がスパイスとなって 「なるほど、こう終わっていくわけか」 とおもった、それから。
本当に切ない、美しいストーリーが最後に挿入されて 彼の喜劇も、そしてこの映画もフィナーレを迎えていきます。
ご覧いただくのが何よりなので詳しくは記しませんが 「笑いあり、涙あり」 という言葉がこれ以上なく当てはまる楽しくて、 それでいてしんみりした作品。
モリエールの前では情けないくらい陳腐な表現ですが、 鑑賞後には気持ちの良い風が胸を通り抜けていくような、 そんな良作です。
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