厳し目の評価が続いているが自分としてはさほど悪くは感じなかった。アニメの改悪に比べればこの程d(ry
確かに我々の知っている蒼天曹操との再会は果たされなかったが、同時に新たな蒼天曹操との出会いでもあった。後書きにあるように著者は連載終了後に全編読破したことから、モーニング連載とコミックスを追いかけながら蒼天曹操達と時間を共にすることが出来なかったのだろう。特に連載中の彼らの息遣いを感じ取れなかったことはもったいないの一言だが、逆にそれが蒼天曹操の心の内面を描くという一見不可能な作業を可能にしたとも思える。特に“オス”のマンガである蒼天航路を女性が描くとこうなるという点でも非常に楽しめる内容だった。
これに懲りずにこういった企画なら続けていって欲しい。(ただしアニメ化はなしで)
歴史には一行の記録のみが残された王昭君。
漢の後宮から匈奴の地へと嫁がされた女性の悲話として有名である。
しかしこの作品では、自らの強い意志と好奇心で果てしない草原にまで飛び出してしまった少女の話として描かれている。
故郷で平凡な一生を送るのが嫌で都に出て、たまたま後宮に入ったもののそこの生活にも飽きてしまった王昭君。たいていの人は蛮人の住む辺境と思っていた匈奴へ送られることになったが、彼女はそれを自由への道として喜んで受け入れた。匈奴の王の妃となり、草原の暮らしにも慣れ、西域の習慣にしたがって王の死後はその息子の妃となってという半生を王昭君の目を通しておっていく。
赤壁と違って女性が主人公のためか、心理描写に違和感を感じることが少なかった。若さゆえの好奇心や愛、そして後半生になって感じる哀惜の情。両親への感情が少ないとはいえ、少女が大人になっていく心境の変化は出せていたのではないかと思う。最後の画家のエピソードはなくてもいいのではと思ったけれど、全体的にもよくまとまっていた。
知っている作家も、知らない作家も入った短編集だが、まず、装丁の美しさに読む前から期待感が高まった。 アンソロジーの場合、いつもどの小説から読もうか迷うが、まずは最初の岩井志麻子さんから読み始めると、彼女の初期の作品を彷彿とさせる美と恐怖が入り混じったすごい作品だった。 つぎの恩田陸さんは稲垣足穂のオマージュのような作品で、いつもと一味違った魅力。そのほかのものも、読み応え十分の何度も読み返したくなる小説集だった。まずは一読をお勧めします。
叙事詩的な作品の多い三国志ですが、この作品は叙情的で女の子には凄く読みやすいです。女性の目線で描かれる三国時代は、とても切なくてハマってしまいますよ!特に曹操と丁夫人のお話は、男と女の愛は複雑で胸がキュンってなります。今までの曹操のイメージとは、少し違うのもなので新たな魅力!!三国志的悲恋物語、一見の価値ありです。
丹波屋が持ち込んできた美涼の縁談、相手は旗本の嫡男で道場主という触込みの倉本典膳ですが、 何故か道場は小さくてみすぼらしい、そしてまた弟子もいない様子。 隼人正の縁談相手に向けられたグチが、娘である美涼を奪われたくない父親としてのグチなのか、 将又、美涼を一人の女性として想う男性としてのそれなのか微妙です。
一方、江戸を荒らす凶悪な盗賊団が出現します。 高貴な生まれであるが故の心の屈折が生み出す身勝手な事件が罪もない人々の命を再び奪います。 その盗賊の頭の名が隼人正の心の中に眠る今は亡き許嫁「美里」を呼び起こします。 度々30年前の出来事を絡めながら物語は展開します。 盗賊団に秘められた謎、それがもし表沙汰になれば徳川家をも揺るがす大事件となります。 容姿に恵まれたばかりに、とある女性に岡惚れされた隼人正が、巻込まれた30年前の悲惨な事件。 この決着を彼はどう着けるのか?
相変わらずの「隼人正」「美涼」「竜次郎」のおとぼけ振りというか、 腹の探り合いというか、会話や行動が面白く描かれております。 二人の間にある師と弟子、父と養女の関係、そして大きく離れた歳の差の為か、 お互い素直になれない隼人正と美涼の関係が、発展するのかしないのか?それも楽しみなシリーズです。
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