前編を見たときに、これは和製スカーフェイスと書きましたが続編でもその感想は間違っていなかった。ミニシアターであってもようやく劇場公開にこぎつけたという本作は、Vシネマにありがちな少しのエンターテイメント性を残しつつも予算という甘ったるさを消し去るようなド派手なアクションシーン満載の作品です。前編が良すぎたために後編には一抹の不安さえ抱いていました。フィリピンのマニラで生まれ育った日本人とフィリピン人とのハーフ。差別と貧困から抜け出すためにあらゆる悪事に手を染めてのし上がろうとする様。このあたりの描写は夢や希望をテーマにした娯楽映画とは対極をなし、女性登場させると愛を前面に出してややもするとヒューマニズムさえ感じさせるようなところでも、しっかり男の欲と暴力性が騒ぎ立てるシーンに出来上がっています。後半の銃撃シーンは邦画では滅多に見られないドンパチアクションで、かつて小沢仁志の主演したSCOREを彷彿させます。金と暴力と裏切りと権力と・・極めて下品で男の嫌な部分を、近年で最も美しく描いた映画ではないでしょうか。特に賛美を贈りたいのは大山なつの存在です。こういった男のギラギラした映画の重要な役柄に、女性を頻繁に登場させるのは個人的に大嫌いなのですが、大山なつは本作にはなくてはならない存在で、彼女でなかったらここまで作品を絶賛できたかどうか。大山なつはプロフィールは女優のではなくアーティストらしいのですが、延々と続く泣叫ぶシーンでも何の違和感もなく入ってきて今後も注目したい。久しぶりに骨のある作品に出会いました。定価以上に価値のある作品です。
さすがドラマやCMタイアップ作集!
懐かしくて良い曲ばかりです。
デビュー時からのファンにはたまりません。
運転しながら聞きます。熱唱するのは確実です!
DVDは20年前のライブ映像なのでお若い稲垣さんが見られてうれしかったです。
40代後半〜50代の人には楽しい歌本。
嬉しい点は、大ヒット曲のみならず結構マイナーな曲も
載っている点。そして楽譜が見やすい点。
コードも簡単なのにしてくれている気がします。
去年名古屋でライブを見て、その歌唱力に惚れました。
Beyonceのライブを見て感じた以上の衝撃で、それ以来ファンに
なり、このCDを購入。
デビュー10周年記念という事で、色んなアーティストと組んで、
今風のPOPな感じにアレンジされたヒット曲を収録してます。
昔の力強さが無くなったわけじゃありません。アレンジの
違いです。
オリジナルの曲調のままではおもしろくないですし、昔のCDで
聞けますしね。
さらに2008年リリースの自身が作曲した”we can go anywhere”
とBeyonceの”Listen”のカバー曲が収録されてます。
小柳ゆきに感じる魅力は、
・このアルバムのようにPOPな歌声や
・"Listen"のような力強く感情的な歌声や
・「COVERS PRODUCT 2」収録の今井美樹の"Piece Of My Wish"や
沢田知可子の"会いたい"のカバー曲で聞ける心にしみる
優しく切ない歌声
など、引き出しが多い事です。ライブでも色んな歌声を聞かせて
くれました。ほぼアカペラで歌う"あなたのキスを…"や、
マライアキャリーの"All I Want for Christmas Is You"を歌って
ましたが、歌声だけだとマライアキャリーそのもの!上手すぎ!
ライブ音源を収録した"Acoustic Concert At Orchard Hall "は
お勧めです。
最近TVに出演してますが、あるMCのベテランタレントが小柳ゆきの
歌声を聴いた後に「やっぱプロってすごいな」と興奮しながら
素人のような感想を言ってました。本物の歌声を聴いて、純粋に
感動したからだと思います。
田舎町の地元高校生のたまり場、バーレストラン『琴欧州』。主人公である『琴欧州』の雇われ店長・撒井は、仲の良い常連客三人と掛け合いに混じりつつ、平和な日常を過ごしていた。
だがある日突然、常連客の一人である女子高生・篠木が「魔女」となり「異世界の戦争」に巻き込まれ、無為に戯れていた日常は崩れ去る。あまりに唐突な異変と世界設定に戸惑いつつも、撒井は篠木からの依頼を受けて、篠木の親友だった填渡と張戸と連絡を取る役割を負わされることになった。
その一方で、張戸は魔女・篠木の「騎士」となることを誓ってこちら側の世界で連続殺人を行い、填渡はヤクザや警官と渡り合いつつ、篠木と張戸の行方を追うのだった。
あくまでも第三者の立場でしかない主人公・撒井の視点で語られていて、日常を非日常に変えてしまった「大きな物語」としての魔女・篠木の戦いはほとんど描かれない。篠木は時々『琴欧州』に戻って録画した殺戮映像を撒井に見せたりするが、戦いの理由や詳細をそこから読み取ることはできない。
劇的な展開もなく、緻密な伏線もなく、世界設定も曖昧。けれど皆が「たった一人」で戦っているような印象があって、その渇いた「ハードボイルド」な感じはこの小説の持ち味となっている。ふと合間に見せる篠木たちの孤独感、苦しくても苦しいと言えない、そういう苦しさを作者は描いてみせている。
意味のない無駄なテキストの流れが多くて、はっきり言ってヘッタクソ。特に序盤はイライラさせられる。ボキャブラリーが少ないのに無理に気の利いた言い回しをしているようで、うざったい。それでいて記述するのが面倒で困難な部分をすっ飛ばしている。甘い。文章的には星一つでしかない、と私は思う。叩くところはいくらでも見つかるのだ。
しかし悲劇もなく絶望もないのに、どこか救いのない諦観のような終わり方は妙に印象に残っている。
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