33人 チリ落盤事故の奇跡と真実
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2010年8月10日、チリのサンホセ鉱山で発生した落盤事故。33人の男たちが、700mの地下に生き埋めになった。
事故発生直後から33人の生存の確認と救出作戦が実行されたが、なかなか居
場所が分からず絶望視されていた。
そして、第惨事から17晩が経った日、33人全員の生存が確認された。
それは、ドリルの先についた赤いインクとドリルのバーの中に託された手紙。
本書はドキュメンタリーであり、この落盤事故で活躍した、多くのリーダー達
の物語である。
事故発生直後に、コロンビア訪問の予定を切り上げて現地を訪問したピニェラ
大統領、そして現地で陣頭指揮を執ったゴルポルネ鉱業相。
救出作戦を指揮するために、世界最大の地下鉱脈を誇るエルテニエンテ鉱山か
ら呼ばれた、カリスマ的な統率力を持つ鉱山技師のアンドレ・ソウガレット。
鉱山のプロフェッショナルである。
また、事故発生時から、なんとしても必ずこの救出の任務を果たすと誓った、
ペドロ・リベロとパブロ・ラミレス。
33人の男たちの中にも、みんなの心の支えとなったホセ・エンリケス。
彼らに共通するものは、必ず救出するという信念、ぶれない軸、そして行動で
ある。
本書は日本で世界に先駆けて出版されました。それは、我々にとって、とても
光栄というかラッキーなことですが、一方で出版を急いだせいか、本としての
企画、構成が十分練られていないように感じました。
本書には、『まえがき』も『あとがき』もありません。
ドキュメンタリーであっても、著者の伝えたい意図をしっかりと示さないと、
伝えたいことがしっかりと伝わらないと思います。
また、
日本人には馴染みの少ないチリ人の名前。登場人物が多いので主要人物につい
ては、紹介や各人の関係などが、まとめられていると理解が進みます。
最後に、
落盤事故〜救出作戦までに起きた出来事を、時系列でまとめたタイムラインが
欲しいですね。これがあることで、ドキュメンタリーの1話毎の繋がりが良く
理解できるようになると思います。
チリ33人 ~ 生存と救出、知られざる記録
テレビなどの報道で知っていたことはほんの一部に過ぎなかった。世界中からの無償の人的,技術的支援があってはじめて成り立った救出劇であった。その困難さ,時間との闘い,人間ドラマ・・・,が克明に記された本である。
地中にとり残された労働者の団結が,救援の手が届くたびに崩れわがままになっていく様,このドラマで一儲けしようとする内外の動きは人間の浅ましさそのものである。他方,昼夜を分かたずに救出に取り組む人々,危険を省みず地中に飛び込む人々の姿は感動ものである。事実のすごさを実感します。