ラスト・タイクーン [DVD]
☆メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(現MGM)の創設者だったアーヴィン・タルバーグをモデルにした郷愁な内幕モノで、本作の監督を担当したハリウッド映画界の大御所エリア・カザン自身にとっては最後の作品。原作はF・スコット・フィッツジェラルド。製作総指揮は大物サム・スピーゲル。ハリウッドの大手映画会社インターナショナル・ワールドの役員試写室で、ラッシュ・フィルムをまわし、鋭い適切な批評と指示を与えているのは、異例の若さで製作部長に抜擢されたモンロー・スター(ロバート・デニーロ)。彼は有能なビジネスマンとしても、芸術的なセンスという意味合いからも、優れた人間であった。新作を撮影中のスタジオで同社のドル箱二枚目スターのロドリゲス(トニー・カーティス)と、フランス大女優ディディ(ジャンヌ・モロー)をはさんで、監督レッド(ダナ・アンドリュース)とのトラブルを処理するも、スターの役目。そして若くして彼を妬む人間は、上司の撮影所長ブラディ(ロバート・ミッチャム)。彼はスターに自分の地位を脅かされるのを恐れ、本社の顧問弁護士フランシャッカー(レイ・ミランド)を呼び不安を訴える。そんなある日、カリフォルニア湾岸を大地震が襲い、撮影所でも貯水タンクが壊れたり、かなりの被害が出た。そして被害にあっている人間たちの中で、スターは今は亡き妻に生き写しの女性を見つける。早速、その女性を調べさせるスター。 数日後、その女性が見つかった。名はキャスリン(イングリッド・ボルティング)。その場はぎこちなく別れた2人であったが、間もなく2人は、あるパーティで座上再会した。そして何とかデートの約束を取り交わすスター。当日、マリベ海岸でキスを交わす2人だが、キャスリンは「結婚を約束した人がいます。もう二度とお会いしません」とスターに手紙を残す。そんな2人のの仲を、以前から秘かに想っていたブラディの娘セシリア(テレサ・ラッセル)は感づいていた。スターとキャスリンはその後三再び出会う。そして、彼女は結婚を約束した相手の事を聞くスター。でも、2人の別れは切ないモノだった。やがて、ディディ主演映画は完成し、その週末、スターは一通の電報を受け取った。「今日結婚しました。さようなら。キャスリン」。その夜、スターはブラディ家で、映画作家組合の共産党ブリマー(ジャック・ニコルソン)と会い、悲しみにくれ深酒していた彼は、ブリマーとケンカを始めた。そして翌日、ブラディは重役会を招集し、スターが情緒不安定であるとして、フライシャッカーと共に、スターを撮影所から遠ざけようとする。重役たちが去った後、人気のない撮影所に最後のスターの孤独な姿があった…。という内容だが、映画愛好家ならば非常に食指をそそられる注目の題材を扱っており、映画という夢と欲望にとりつかれたスタッフやキャストたちの複雑な人間関係をバックに、その狭間で繰り広げられる色々な確執や心理葛藤をオールドな雰囲気を保ちながらE・カザン監督が地味な演出で描いている。1930年代のハリウッド黄金期の時代背景も興味深い。少し残念なのは本作を撮っていた頃のE・カザン監督はだいぶガタガタで、満身創痍な?状態であったと思われており、映画の出来映え以上に感覚的なズレが露呈し、全体的にどうも覇気がない。なお本編にはロバート・デニーロやトニー・カーティス、ジャンヌ・モロー、ロバート・ミッチャム、ジャック・ニコルソン、ダナ・アンドリュース等々、申し分のない豪華俳優陣が揃っているが、期待とは裏腹に、それぞれの個性がうまく噛み合っていないので、ご機嫌な気分になれず手放しで誉められない。真面目一方な展開も不満で、こういう映画産業の裏側をテーマにした趣向の内幕モノは『イヴの総て』や『サンセット大通り』等の戦後時代に作られた大名作に限らず、ユーモアとペーソスを織り混ぜた人生模様形式の風刺ドラマとして拵えたほうが説得力もグンと増したに違いない。だが『エデンの東』や『ブルックリン横丁』、『影なき殺人』、『ヘビイドール』、『波止場』、『紳士協定』、『アレンジメント・愛の旋律』等々で、筆者は大昔?からE・カザン監督作品には大変お世話?になっていたので、義理立てや身びいきではなく、恩返しという形で、星・☆の数はサービスで4つにしときます!★。
俺たちは天使じゃない [DVD]
デ・ニーロのコメディは初めてではありませんが、
まだまだ駆け出しの頃のショーン・ペンとのこの共演作、素直に楽しめます。
まず、脱獄するところからしてとぼけた勘違いが勘違い呼び・・・
終始、そんな調子で脱獄犯なのに、なぜか憎めない2人を演じています。
デ・ニーロのオーバーアクトな表情と、なんともとぼけたショーン・ペンのコンビは笑えます。
周囲の勘違い振りも重なるので、見ていてハラハラしたり、ほのぼのしたり。
デミ・ムーアも、出番は少ないものの、強烈な印象を残す演技をしています。
ラストもいいですね。
決して傑作ではないんだけれども、心の中には残しておきたい、そんな作品です。
Bronx Tale [VHS] [Import]
意外と知られていないが、めちゃくちゃいい映画 なんといってもマフィアのボス役の人がカッコいいのなんの…全編に流れるオールディーズがまたいい。ラストは感動 文句なし
Untouchables [VHS] [Import]
四の五の言わずにおすすめしたいのが、この作品だ。
映像の魔術師と呼ばれたヒッチコック監督を、明らかに意識しているような時間の操作やカメラワークは秀逸。
ポスト・ヒッチコックにふさわしいサスペンス映画である。
見どころは言うまでもなく、シカゴ・ユニオン駅での乳母車が階段から落ちるシーンだ。
アンディ・ガルシアが銃を構えながら、落ちて来た乳母車を食い止める場面は息を呑む。
この時の、スローモーションを使うなどして時間操作を巧みに利用した映像表現は画期的だった。
デ・パルマ監督の代表作と言っても過言ではない、非常に完成度の高い作品だ。