ベルヴィル・ランデブー [DVD]
絶句。
シュールな物語、グロテスクな人物描写、悪趣味なスレスレのユーモア。
どれをとってもとても万人にウケを狙った作品とは思えない。
10分程度の短編なら分かるのですが1時間を超える長編アニメーションでここまでやるとは。
拒否反応を起こす方もいらっしゃるとは思いますが食わず嫌いは勿体ない。
いや、実に楽しい。久々にアニメーションというメディアの持ち味を満喫しました。
お話の展開は皆目見当がつかず、ひたすらわくわくしながら次から次へと繰り出されるアイデアの奔流に身を任せてみれば至福の時を過ごすことができました。
恐ろしく細部まで書き込まれた背景描写もすごいですがCGの使い方も実に洗練されていてびっくりしました。
それとやはり色遣いが日本やアメリカのアニメーションとは異質で厭らしい言い方ですがヨーロッパのエスプリを感じさせますね。
しかし唯もの珍しいだけの作品では決してありません。
フレンチマフィアに誘拐された愛する孫を取り戻すべく大都会ベルヴィルをさまようスーザおばあちゃんとメタボ忠犬ブルーノの姿が醸し出す切なさと抒情。
そして3姉妹も加勢したアイデア溢れるクライマックスの活劇シーンの面白さ。
いやはや愉快〃〃。
まさに「大人のためのアニメ」ということで是非御一覧をおススメします。
水グモもんもん 三鷹の森ジブリ美術館 短編アニメーション
日本で初めてのハルダンゲルヴァイオリニスト、山瀬理桜さんによる作曲と演奏による美しい全7曲、約17分のサウンドトラック。
”水ぐももんもん”はご存じのように三鷹の森ジブリ美術館にて上映された宮崎駿監督作品。
アルバムはジブリ美術館でしか購入することが出来ません。
が…定価は1,000円です。
異様な高値で出品されていますが、定価を踏まえて購入することをお薦めします。
因みに私は2011年12月に300円で購入しました。
春のめざめ [DVD]
予告編を観た時から魅了されて劇場で見られなかったのですが、
DVDでやっと観ることができました。
TV画面が発光するからなのか、監督特有の光がよく発揮されています。
もしかしたら劇場以上ではないでしょうか?
そしてDVDならではの特典、ペトロフ監督のドキュメンタリーでは
ヤロスラブリにあるスタジオ探訪とその作業場面、
ノルシュテインとの対談など充実しています。
この対談、ノルシュテインの人柄も出て何気ない会話ですが、ファンには嬉しいもの。
また、「原画展スライドショー」もガラス板に描かれたものは勿論、
スケッチも素晴らしいものでした。
これとさらにオススメの「ペトロフ監督作品集」は
画集のように、手元にいつでも置きたい宝物です。
スタジオジブリ 紅の豚 飛行服ポルコロッソ磁器オルゴール
コレはただ回って音を奏でるだけの豚だ。
だが、国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ぶぐらいなら
ただ、回ってるだけの方が幾分かマシだぜ。
三鷹の森ジブリ美術館ファンブック―迷子になろうよ、いっしょに。 (ロマンアルバム)
”一緒に迷子になろうよ!”をコンセプトとした三鷹の森ジブリ美術館。
本誌はジブリ美術館の特設展示場を含む各展示場を徹底解説したファンブックです。
宮崎駿親子や大橋のぞみちゃんのインタビュー記事も面白く読ませて頂きました。
ジブリ美術館はとても楽しい作りになっています。
廻る順序に決まりはなく、色々な通路の仕掛があって”これはどこに通じるのだろう?”とか、”こんなところにこんな物が!”など歩きながら発見をしていく作りです。
まだ行ったことがなく、これから行く計画がある方へは本誌はお薦めできません。
行ったときの驚きや感動が薄くなってしまうからです。
既に行ったことがあるファンの方へは思い出としてお薦めできます。