イタリア語通訳狂想曲 シモネッタのアマルコルド
米原万里さんに「シモネッタ」と命名された得意の「下ネタ」が、(なんせNKHの語学テキストのコラムへの投稿なので)あまり発揮されず大人しいので、ややそちらの方面は期待はずれだけど、あとは、同時通訳だのガイドだのにまつわるお話がテンコ盛りで面白い!!!
しかも、イタリア人が相手なんだから・・・。「マンマ・ミーア!」ていうかママべったりのイタリア男だとか、「アンタ」(40歳以上)の(40台:クアランタ、50代:チンクアンタ・・以下90台:ノヴァンタ全部「アンタ」)熟女マダムの魅力とか。
イタリア人に持っていって喜ばれる小物のなかに、「猫缶」があって、イタリアの猫たちは夢中で食らいつくそうだ・・。(そしたら、田丸サンはさりげなく、「美形のイタリア男たちが寄ってくる『日本の疑似餌』な無いのかな?」なんて書いている・・。)まあ、イタリアには、「トッティ様」だの、「デルピエロ様」みたいなのがゴロゴロしているのかな??
まあ通訳の仕事そのものについては米原万里さんも沢山書いているが、「異文化」の橋渡しでの苦労は共通のようですね・・・。
フェリーニのアマルコルド [VHS]
アドリア海に面した小都市リミニを
訪れて、雪の中であの孔雀が羽を広げる
噴水を発見した時には、思わず歓声をあげてしまいました。
リミニで繰り広げられる、
様々なエピソード、子どもの思い出が
ごった煮のように、しかし美しく描かれます。
シル・ヴ・プレ嬢の結婚式で終わるラストは感動的。
フェリーニのアマルコルド [VHS]
フェデリコ・フェリーニの独特の語り口で描かれたノスタルジーです。
イタリアのある町の古き良き時代を舞台に、たくさんの個性的な人々が入れ替わり立ち代り出てきては、物語が進行していくのです。
とにかくたくさんの人が出てきて、子供たちの馬鹿馬鹿しい話から、恋の話、嘘つきの男、知能遅れでみんなに性の対象にされている女性、精神病院から出てきたおじさん、石畳を走る自動車レース・・・・印象的なシーンがいっぱいです。
どこまでが実際の話で、どこまでが誰かの想像なのか、うまく溶け合いながらの進行です。
どのエピソードもほんとうに面白くて、笑いながらも懐かしく、美しく、そして最後には大変感動してしまいます。
有名な巨大客船がやってくるシーンも素晴らしいですし、霧の朝に巨大な生き物が立っているシーン、孔雀が羽根を広げるシーン、真っ白な羽毛が町に降り注ぐ春や、広場に炎があがる祭りなど、素晴らしい場面ばかりです。
その中でもわたしがもっとも気にいっているのは、美しい草原の上であげる結婚式のシーンで、町の人が集まり、アコーデオンが流れ、わたしはこのシーンがもっとも涙があふれます。
「ニュー・シネマ・パラダイス」はこの映画を意識しているような気もしますが、同じノスタルジーでもまったく違うものですね。
フェリーニ監督の語り口に慣れていない方は抵抗を感じるかもしれませんが、しばらくすれば、きっとその面白さがわかっていただけると思います。
プレイズ,ニーノ・ロータ
このCDは、イタリアのCAMから発表された"Rota Tutti Filmidi Fellini”と”Nino Rota Musiche da Film"からニーノ・ロータの自作選集として日本で編集されたもの。演奏は、ニーノ・ロータとフェリーニが監修し、カルロ・サヴァーナがオーケストラの指揮を執っている。
ニーノ・ロータこそ、巨匠の名に相応しい。ニーノ・ロータが作曲したとりわけ有名な17曲が納められていて、まず馴染みのある曲ばかりだろう。
「ゴッドファーザー」「ロミオとジュリエット」「太陽がいっぱい」「道」「ゴッドファーザーPARTII」など、曲だけ聞いていても胸に染み入るものばかり。
素晴らしい永遠の旋律がズラリと並んだ画期的アルバム。
映画ファンばかりでなく、音楽ファンを唸らせると思う。