体験版が面白くてやってうちに、やりすぎて製品版で面白さが半減したらつまらないな、と思い製品版まで待ってプレイしました。で、上の感想です。 体験版をやった限りでは、反射神経的なゲームの上手さ・乱戦の混乱・状況判断能力・こずるい立ち振舞い、等が混然となったゲームなんだろう、製品版では(スキルも開放されるし)それがさらに加速するんだろう、と勝手に思っていました。(以下オンラインを少しプレイしての感想です)
が、実際やってみると、結局個人の格ゲー的上手さが突出して勝敗を左右するゲームです。例えばアイテムひとつとっても、道端に落ちているオブジェクト――これはそこらじゅうに落ちているので誰でも簡単に拾えます――は補助的な強さはあるけれども威力がない。このゲームの場合、自分が直接相手に止めを刺したのでなければ点数が入らないので、これら道端オブジェクトだけで色々やっていても一向に点が入らない。一方で特殊な状況下で手に入るアイテム、これが圧倒的に強力なわけですが、これは出た瞬間に全員に場所が知らされるので取り合いになります。そうなると勝つのは結局元々強いプレイヤーです。 言ってみればこのゲームに「こずるいから強い」というのはありません。もともと強い人がこずるい手段も総取りするシステムです。(他にも連続キルで強い人だけどんどんレベルアップして強くなっていくというシステムがあります)
負け方にはダメージを食らうとゲージが溜まりやすい(本当か?)一発逆転のレイジ(怒り)があるわけですが、このシステムがまったく機能していなく、まあ書くと切りがないですが、そもそもダメージを与えても溜まるので強い人のが溜まりやすい、回避に専念すればそれほど問題ない、連射パッドがあれば圧倒的に有利とか色々。一言で言うと逆転なんてまずないです。起きる素地がない。このシステム要らないと思います。負け数×1.○倍攻撃力が上がる、とかそういう方がよかった。
ちなみに敵に隙があるときでもコンボを知っているのと知らないではダメージが全然違います。知っていると一回で6割以上、知らないと1〜2割程度とかそれくらい差が大きいです。格ゲー的な上手さを持つ人がさらに有利です。なんでコンボシステムとか入れたんだろう。これは一切説明されてません。
このゲームが想定するプレイヤーが8人(16人)集まれば熱い乱戦が…ってそんなの起きるわけがない。(体験版初期は全員素人だから割とそういう感じだったのに) 素材は悪くないのに自らコンセプトを壊してしまって悪くなった、というのが全体的な印象。
私は特に紳竜の漫才に思い入れのある者ではありません。
ただ紳助さん生涯二度目?というNSCでの講義内容の凄さを耳にし、それ目当てでこのDVDを入手しました。そして、その講義内容は期待に違わぬ、物凄いものでした。
NSCが舞台でもあり、講義の内容は「漫才」や「お笑い」に特化したものとなっていますが、しかし、その「漫才」や「お笑い」という単語を、例えば「事務職」や「ゴルフ」など、自分の仕事や趣味に該当する単語と置き換えたとしても、全く違和感を覚えません。
このDVDを見終ると、その辺にゴロゴロしている自称「経営コンサルタント」などという人物達の、脳味噌で考えたような成功哲学の薄っぺらさが、如実に感じ取れるようになります。
同時に紳助さんは、心で講義してくれていたんだなぁ、と、改めてその講義内容に思いを馳せる事が出来る一枚です。
収録されている紳竜の漫才も、今の目線で見てみると意外な程に知的で上品なものと映じます。昨今のお笑いタレントの多くが、単なる紳竜の劣化コピー、それも下品で簡単に見える部分のみを再生産しているに過ぎないのではないか、などという事にも気付かされます。
紳竜が好きだった方は勿論のこと、漫才なんて、と思っているような普通のサラリーマンや中小企業の経営者にこそ、是非とも見ていただきたい一枚です。
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