今回久々の大塚氏のシリーズだったので購入しました。 私は新装版の木島日記から入った口なのですが、画を担当する方が変わってもあまりイヤな風にはかんじませんでした(むしろ女性はかわいくなった(笑))。 また、新しい人とタッグを組むというのは勇気のいることだし、その点は評価できると思います。ただ、ストーリー自体にあまり新鮮味が無かったので少し減点しました。面白くない、というわけではないんですがね。
現政権に迫害され絶滅寸前の先住民「山人」をめぐる柳田國男と兵頭北神。 山人に誘われたことを「選民のしるし」のように繰り返し自著の中で語っていた柳田。 軍国主義の風潮への迎合のために自説を捨てた柳田、国内・台湾での山人狩りに協力した柳田は、なお子供の頃に出会った山人を追い求める。 山人の父を持ち、柳田の山人殺しを黙認していた北神は、柳田に破門され学会から追放された後も、柳田の下っ端仕事を引き受ける。 両者とも不可解な過去を持ちながら、特段それを重荷とすることもなく生きている。 「サイコ」の低体温と、「木島日記」の混沌感の根がここにある。 北神との異父妹・滝子について情報が少ないのが残念。BR>イザナギ・イザナミのモチーフも意味深。
「帝都物語」の項でも紹介した大塚英志氏原作の「偽・日本史」漫画。 昭和初期の日本がその舞台。 山人(山の民)の末裔にして、元・柳田國男の弟子でもあった兵頭北神。 彼は柳田が葬り去ろうとしていた仮説に興味を示したため、その資料ごと破門される。彼に託されたのは「山人」…まつろわぬ民族、原日本人の資料。それは民俗学が科学となるために、異端として切り捨てなければならなかった闇の部分。 そして彼は密かに「山人」が絡んでいると思われる事件にかかわりあってゆく。 大塚氏は「MADARA」「サイコ」「黒鷺死体宅配便」など多くの漫画原作を手がけている。そしてその根底にあるのは「民俗学」である。なんでも筑波大学で民俗学をやっていたらしい。「柳田國男の孫弟子と言えなくもない」とあとがきにもある。 漫画の編集者、原作者、そして「都市民俗学」の論説者。特に「ロリコン」ものや少女関連のものが多い。今日の「おたく」文化の先導者といえなくもない。 その豊富な「民俗学」の知識は「MADARA」「北神伝綺」「木島日記」にいかんなく発揮されている。 さらにこの漫画で興味深いのは、実在の人物や事件がストーリーに大きく絡んでくることだ。 柳田國男、宮沢賢治、竹久夢二、伊藤晴雨、甘粕正彦、出口王仁三郎、北一輝、平井太郎(江戸川乱歩)…露社事件、坂田山心中、二・二六事件。 知っている人ならば、思わずニヤリとしてしまうだろう。「そうか、この人(事件)をこう使うか」と。 是非ご堪能アレ。
現政権に迫害され絶滅寸前の先住民「山人」をめぐる柳田國男と兵頭北神。 山人に誘われたことを「選民のしるし」のように繰り返し自著の中で語っていた柳田。 軍国主義の風潮への迎合のために自説を捨てた柳田、国内・台湾での山人狩りに協力した柳田は、なお子供の頃に出会った山人を追い求める。 山人の父を持ち、柳田の山人殺しを黙認していた北神は、柳田に破門され学会から追放された後も、柳田の下っ端仕事を引き受ける。 両者とも不可解な過去を持ちながら、特段それを重荷とすることもなく生きている。 「サイコ」の低体温と、「木島日記」の混沌感の根がここにある。 北神との異父妹・滝子について情報が少ないのが残念。BR>イザナギ・イザナミのモチーフも意味深。
森さんの絵がみたくて買いました。
内容は木島日記に比べて薄い・・・?
画力に関しては文句なしです。
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