ある意味一番よい時代のアメリカをじかに体験した団塊の世代の青春期。同世代の人には懐かしい要素が多々あるのではないか。 フォークを中心とした音楽、ニューエイジ、宗教学、と著者のやってきたことはいかにもバラバラかつ中途半端に見えるが、それはおそらく後知恵で、カウンターカルチャーという今は見失われがちなくくり方をすると一貫性があるとわかる。(物知らずですいません、私はこの本に描かれた頃の生まれなもので) 現在のアメリカは最悪だが、6-70年代の政治的文化的「カウンター」的なるものがベトナム戦争を背景としていたことを思うと、イラク戦争の始まった今後のアメリカを考える意味でヒントになる可能性もある。 それにしても、日米の現状というのは・・・。
11「さらばシベリア鉄道」(もちろん曲・大瀧詠一)と 12「君と歩いた青春」(詞曲・伊勢正三)以外は、 すべて松本・筒美コンビの粒ぞろい。こんなに太田裕美という シンガーは恵まれていたんですねえ、佳曲ぞろいです。 以外なのが、「ぼく」という一人称で歌われる曲がすごく多いこと。 彼女の声はもちろんプリチーヴォイスなので、あえて「ぼく」と 歌わせる倒錯路線を意識的に狙っていたとしか思えません。 大昔、「銀座NOW」という夕方テレビ番組(関根勤がラビット関根時代)、 「木綿のハンカチーフ」で男パーツを宇崎竜童が唄うデュエットに ナミダしたのが懐かしい。 松本隆、筒美京平にとってもベスト3に入る曲でしょう。
いまあの時代を振り返ると、音楽と社会の間が今よりも濃密で近い関係であったことは確かだろう。音楽が時代になんらかの影響を与えたこと、その逆もまたしかり。キャンディーズやピンク・レディーのような社会現象から、フォークがニュー・ミュージックと呼ばれ洗練されていくなかでのファッションやライフスタイルの変化など。このCDに収録されているのは大ヒットを記録した名曲ばかりなので当時の思い出が鮮明に蘇り、聴くとよけいにその思いを強くする。音楽のバックに当時の我々日本人一人一人の生活が見え隠れするような気になる40曲で、これはコンピにありがちな無駄な曲が1曲もないのに感心して買い求めた。
タイトル通り林檎さんが唄い手に徹している一枚です。
実験的なサウンドや癖のある歌い方が魅力でもあるわけですが、
このアルバムでは歌のうまさが味わえるというものです。
確かにまとまりは無いわけですが、本人が言われたようにカラオケと思えば納得の一枚です。
更に、宇多田ヒカルさんや、草野正宗さん、椎名純平さん、松崎ナオさんなどとの競演も楽しめる内容になっています。
林檎さんのルーツを知りたいのならこのアルバムです。
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