前作に続き、なつかしい響きがするタイトル。 携帯が普及して「すれ違う」ことが昔より減った今。 なんだか一呼吸して表紙をめくると… 巴子と綾香がつつましやかに生活しています。 世代的に綾香に注目してしまいます。 投げやりにならず地道に努力しながら 前作同様、巴子の成長を見守る姿に感動します。 松坂慶子さんあたりにドラマ化してほしいものです。
母親を殺害され、精神的に辛い日々を送る・・・あまりにも辛すぎて考えられない 又、いきなり”あなたのご主人が犯人です”と言われ あらゆる人から冷たい目を向けられ暗い毎日を過ごすのも辛すぎます 途中で、真犯人がいるのか?と思う場面もあり 夢中で読み続けましたが・・・ まだ 続編が出てるみたいなので(分厚いので早く文庫化にしてほしいのですが)早速 購入しようと思います。 この方の短編はあまり読んだことはないのですが、長編はすごく読み応えありで 外れがないように思えます。 読者を引き込ませる力がすごいので 長編でも長く感じず”読み終えた~”という充実感が染み出ます! ”再生の朝”もオススメします
読んでいる最中は気持ちが滅入り、胃に石が溜まるような感覚を味わったが読み終えたあと思ったほど重くはならなかった。それは主人公がどん底から立ち直っていく様が上手く描かれているからだろうか。。。 テーマが被害者の家族と加害者の家族という難しい内容のなかで作者が言いたかった事がなんとなく理解できたような気がした。 もともと彼女の作品は愛読書のひとつであるが最近の長編ははずれがないように思える。 ひとつ要望があるとすれば加害者と被害者の当人でしかわかりえない心の葛藤などが少しでも描いてほしかった気がする。 ただこの本には加害者の子供が登場する続編もあるらしいので是非読むつもりである。
「凍える牙」を読んだときは私もまだ30歳代。
滝沢よりも音道に感情移入できたのだが、
この本を読んでいる私は、もう40半ばを過ぎた。
当然、音道よりも滝沢に感情移入してしまう。
私が、仕事で今ペアを組んでいる女性は、37歳。
バツイチではないが、外見は音道に似ているかもしれない。
彼女から見れば、私も滝沢のように見えるのかと思うと
なんだかへこむ。
さて本書だが、音道丸くなってしまった印象を受ける。
音道らしくない。
成長なのか。
ストーリーに関しては文句がない。
さすがは直木賞作家。
読ませどころ満載である。
また、文章がよみやすい。
すらすらと読めるし、頭にも入ってきやすい。
まるで映像を見ているよう。
下巻も期待大である。
また、新潮文庫は、字が大きくなったので、
老眼が出だした私にとっては大変ありがたい。
女性刑事、音道貴子と、中年刑事、滝沢、共に離婚経験のある、 不器用な二人がコンビを組み事件の捜査を行う。 互いに相手を無視したり、心中で蔑視する描写が面白い。 ヒロインの音道が男性の食事するスピードに遅れまいとして、一言も 話さずに、一心不乱に食事するシーンには、共感できる所がある。 ただ、警察という男社会の中で苦労が有るとはいえ、女性刑事が 自意識過剰気味と思えない事も無い。
後半は何故か一転してオオカミ犬が主役となる。 ただ、オオカミ犬を美化しすぎている感がする。 ラストの犬をバイクで追跡する場面も自己陶酔気味で、作者は このシーンを書きたかっただけではないかと思えてしまう。
犯人の家の周囲に猟友会を張り込ませていなかったのは、片手落ち ではないだろうか。バイクで犬を追跡するにしても、堀を飛び越えるとか、 生垣に潜り込むとかしたら、バイクでは役に立たない。せめてオンロード タイプでは無く、走破性の高いオフロードタイプを用意しておくべきでは ないか。
ミステリーとしてみても、深夜のレストランで男が炎上するという衝撃的な プロローグの割には、終わってみれば、犯人の動機には殺人までする 必要あるのかと言う疑問が残った。無理に物語を盛り上げようとせず、 前半の女性刑事と男性刑事の葛藤をメインとして読ませた方が良かった と思う。
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