オレの人生は二つに分けられる。つまり、本作「ブルース・ブラザース」を観る前と、観た後とだ。
この映画が、オレにとっての「カッコよさ」を決定づけてしまった。世界を判断する基準を作ってしまった。
まずあの黒づくめのファッションセンスに痺れた。真似しようと黒い服ばかりを着たがったが(サングラスまでは無理だった)そんなオレを母親は奇異なモノと扱った。あれはこの映画の影響だ。ただの不気味なガキだった。
生まれ育った孤児院を救うために奔走するブルース・ブラザース。動機からしてイカすじゃないか。ふたりは神の使徒だった。神の使命の前にはまともな就職も無意味だ。昔の仲間たちも(半ば恐喝同然に)集まった。警察もネオナチも問題にならなかった。さあ、バンドだ―――
人生には、何よりも優先されるべきものがあるとオレが知ったのはこの映画からだ。
映画全編に流れる力強い音楽も未知の衝撃だった。当時のオレはまだR&Bなど全く知らなかった。
ジェームス・ブラウンもレイ・チャールズも知らなかったが、彼らが“大物”だという事だけはわかった。
未知の感動を前に、体が動いてしまうのが不思議であった。
すべてをぶっちぎるカーチェイスの末、刑務所に送られるブルース・ブラザーズ。監獄の中で「監獄ロック」。その熱狂にオレは歓喜した。うまくは言えないが、バカを貫いた先には感動が待っていたのだ。
「ブルース・ブラザース」がオレの人生を変えたのは、まだ小学生のころだった。この映画のせいでオレは人生における価値観が狂った。バカとは何と素晴らしいのだろう。そのおかげか今でもオレはマトモな大人になっていないが、別に後悔はしていない。
映画ブルースブラザーズを見てハマり、このCDを購入しました。
映画になかった曲が多く収録されているので 「はじめて聞くものでも好きになるだろうか」とじゃっかん心配だったのですが、 映画でおなじみのベルーシ氏(ジェイク)の歌い方とエイクロイド氏(エルウッド)の語りを 聞いているうちに、映画の番外編を見ているような気分になりました。 今では全曲お気に入りです!
ちなみに、コンプリート版ですが 「Stand by Your Man」が収録されていないので注意です。 (ボブのカントリークラブでローハイドのあとに歌ったもの)
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