女性初の奨励会突破プロ棋士(not女流棋士)を目指す主人公と、
その周りのライバル達の物語です。将棋漫画ですが、ストーリー漫画の
色合いが強く、将棋好きでなくても読めると思います。
主人公には、一度見たものをすべて覚えている、という特殊能力が
あります。ですが、その能力で次々と強敵を撃破、といかないのが
この漫画の面白さです。
1巻では「いい棋譜なら覚えて研究し尽くして当たり前」という周囲の
レベルの高さに圧倒されることの多い主人公が、どう力を使うか、
ということに悩む姿が描かれます。
主人公の過去はさわりだけ出てきて、まだ先がありそう。
周りを取り巻く同年代の奨励会員たちにも色々過去があることが
示唆されていて、これから深みが出て面白くなってきそうな漫画です。
勝負師の楽しさ辛さなど楽しめます。絵がちょっと少女漫画風ですが面白いと思いますよ。原作等知らないですが観て損のないアニメです。
★特徴★
幼い頃に両親を殺され、自身の声も失った少女棋士紫音(しおん)の将棋と人生を描いた物語です。両親の殺害が全体を通して大きな謎となっており、誰が犯人なのか分からないというミステリー要素もはらんでいます。アニメ化も決定し、注目度が徐々に上がってきましたね。
★よいと思った点★
声を失い筆談で話す主人公の他、ラブコメ担当の兄弟子や女装して女流棋士に潜む青年など、シリアスな展開の割りには高い漫画的バラエティを誇る登場人物が揃っています。先の展開が全然読めないので、読者に対する強い牽引力が持ち味です。読むのをやめたら先が気になって仕方がないという。
★よくないと思った点★
まずは絵。特に1巻時点での画力は致命的レベルかも。最初の数ページでちょっとガックリきました。あとネーム。コマとコマの繋がりが不自然で、読者の物語への没入を妨げることがあります。ストーリーとか設定が面白いだけに、非常に勿体無いなあと思いました。個人的には絵の上手い下手がそのままマンガの評価になることは少ないんですが、シリアスストーリーとリアルタッチな画風を扱う以上、やはりクリアしてほしいレベルってのはあるんですよね。
講談社月刊アフタヌーン連載/かとりまさる原作・安藤慈朗漫画の
「しおんの王」TVアニメ第2〜4話を収録したDVD2巻です
主人公・紫音(しおん)の生い立ちと絡めたサスペンス要素に違和感があるものの、
女流将棋の雰囲気を本格的に描写し、将棋に賭ける者達の執念を量る作風が唸ります
(総合5.6/10点)
第2話「秘密」★★★☆☆6/10点
出る杭は打たれる。そんな言葉が思い起こされる物語です
妨害工作など外野の幼稚な行動を目立たせることで、
戦いとは己自身の強さ次第と再認識させる反語のように感じられます
前回の「決して諦めない」精神の意味にも納得。ストーカー描写は謎ですが、
紫音のモノローグをもっと排して、声無しで魅了する演出の強化に期待
第3話「駒音(こまおと)」★★★☆☆5/10点
報道機関がマスゴミと揶揄される所以が良く判ります
堅実に生きる者を阻む、他人の心情などお構い無しの結果至上主義に
イラっとします。警察も絡めた紫音を巡るサスペンス要素が濃くなるものの、
繋ぎのお話なので見所は薄め。前回より紫音の表情の変化から、心の動きを
色々想像して楽しめたのが好感触
第4話「鬼手」★★★☆☆6/10点
再び盤を挟み、激突する安岡紫音vs斉藤歩
全編対局のみですが、状況解説、読み合いの攻防が興味深く見応えありです
将棋未経験者には不親切なのはご愛嬌。安易な展開にせず、
勝利への執着心を貫いた結末は期待通りで○
ただ作画の安定感、待ち時間の緊張を魅せる演出が欠落していたのが残念
男も女も過去も将来も言葉も、そして、人(ひと)さえも語る「将棋」を通し主人公・しおんと彼女を取り巻く人物たちを描く「しおんの王」。表だけじゃ意味をなさない駒と同じく、穏やかな表情でしおんの成長を見守る人々の“表には出さない裏の顔”に隠された企みや妬み、本性が現れはじめる。将棋盤の上に出揃った駒(登場人物)がけして手の内を明かすことなく、けれど確実に王将(しおん)に迫る緊張感は、垣間見える家庭的なムードとは一転、王を殺すための殺伐とした空気へと変貌した。
幼さない少女が、華麗さを漂わせた才女が、将棋でしか生きる道を見出せなかった師弟が、父親としての厳しさが、将棋盤を挟んで向き合う相手を討ち果たすために集う。残酷なようでも心惹かれ、勝負の世界だと知りながらも感情を捨てきれない苦悩とのせめぎ合い。
“虫も殺さぬ”女流棋士が男性棋士と盤で対峙する時、感情を捨て「鬼」となるその時、本当の勝負の怖さが表情となって表にあらわれる。これまで裏に隠されていた、殺気を孕んだ“本性”を剥き出しにして。
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