アニメ化されたようですが、どうなんでしょうか? どちらかといえば実写の方が… この巻収録の「地図は導く」 好きなエピソードです。 根っからの冒険野郎・ラモスが 夢を追うのに疲れ、愛する人と、穏やかで幸せな生活も悪くないな… と思っていた矢先、“宝”の地図を見つけたときのその表情、急に生き生きとし子供のように輝きだす。 これが『ギャラリーフェイク』を象徴する瞬間。 かっこいい男の顔だ。
萩原朔太郎氏の詩の一節です。
詩人はマジック好きで、そのネタを秘密に大切にしていたそうです。
細野氏は詩ばかりではなく、その詩人の逸話をも引用します。
マジシャンが、そのなりわいとしてのマジックの虚の世界を、自分の生の影の部分の実体化にあてるならば、すなわち、マジックを使うことが、とりもなおさず自分の実際の生の真実の形姿の自己告白に充てられるならば、詩人の余技などという域を超えた凄惨な意味を持つ・・・・・・。それは叫びや切なさの敷き写しに当たります。
長きにわたる連載でしたが、大きな河のようなストーリーの骨格が、この引用に象徴されていると思います。
事実よりも真実にせまる話の集積をみるような気がします。
明かされずにおわった、実際に生きた人々の想念をとりあげてほしいなあ、と思っていました。
実話でなくとも、こういうスタイルだってありえるのだと思います。
どんな小説よりも面白いマンガ。陰の部分の表現がスゴくて息苦しくなることもありました。
それなりにアニメーションを長年見てきましたが、作画・コンテ・ キャストなどいろいろな点で魅せていると思います。 いわゆる萌えとは無縁ですが、心情の機微・藤田の技術・サラの やきもち(?)などなど、30分が毎回短い。 オトナが楽しめる逸品です。
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