レビューを書くのに、ずいぶんと時間がかかってしまいました。もちろん出てすぐに聴き始め、ウォークマンでヘビーローテーションでした。ただ、当時、6月は色々とあって、深夜にひとりで聴いていると、さまざまな感情が重なって、特別な思い入れのある曲になってしまいました。なので、レビューを書くのは後にしようと、そのまま1か月以上たってしまいましたが、やや冷静になって今聴いても、実にいいバラードです。正直いって、歌詞は陳腐です。でも、そこもまたいいのかもしれません。深夜にひとりで聴きたい曲です。
こういった10年という、長い長い年月を重ねていく恋愛映画には、ひと筋縄では表現しきれない姿かたちがあらわれてきて、内容の濃い味わいがあります。
青年期のあるひとつの経験が、それもクロージングを迎えずに中途半端なままで放置されていること、その余韻がその後の人生を左右するものといえます。
拭い去ることができず、ひたすら堕落してしまうのか、それとも、新たなる道を模索し、脱皮することができるのか。
たとえ脱皮することができても、記憶の片隅にインプットされたものが、何度も繰り返しあらわれるはずなのです。
このドラマでは、主人公がアルコール依存症となり、世の中から脱落していく姿を映し出していますが、主人公自らが逡巡する思いは強く語っていません。
その描写する背景から、主人公のなんともしようがない戸惑いを感じさせようとしています。
ラストは、切なくて切なくて、小さい小さい、ほんのひと握りのシアワセに向かっていく姿に人生の原点を取り戻した喜びを共感し、グッと感涙しました。
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