情報という視点でモノを見ることが大切。本書は著者の経験に基き
為替という分野を論述していますが、情報をどのように扱うか学べる
書籍ともいえます。
その取り扱い方とは、知的謙虚さを持つこと。
例えば予測を立てたら、新しい情報や現実の展開をフィードバック
して予測を修正する「謙虚さ」を持つことです。
また、理論でさえも「それまでの知識と情報の集積」なのだから、
新しい情報によって変えられることを認識することです。
本書では、この知的謙虚さをジョージ・ソロス氏の考え方を用いて
幾度も説明しています。その考え方は、以下のとおりです。
『物事は不確実で、人間は必ず間違う。
だから間違いを認めて、それを常に修正する。』
知らないよりも知っていたほうが良いに決まってる知識を与えてくれる本。外為マーケットの実際、各通貨の傾向、特性などイラストやレイアウトもよく考えられていてインプットを容易にして読みやすい。 オプション取引についての記述もあり。人民元に関しては インターネット上に発表している著者の最近の記述をプラス知識として 参考にしたい。
FXをこれから始めようという人が全体像を掴むのに適しています。 最低限おさえておくべき、基本的なことがまとまっています。 ここに書いてあることくらいは知ってないと、FXを続けてゆくのが辛いのではないでしょうか? 初心者のなかには、いきなり勝てる方法を望むのかもしれませんが、もちろん、これははその手の本ではありません。
警世の書が書店に溢れているが、タイトルが虚仮(こけ)威しだったり、主張が極端に一方的だったりするものが多い。しかしながら、『日本経済このままでは預金封鎖になってしまう――動乱の時代を生き抜く経済の読み方』(小宮一慶著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、日々の業務で忙しいビジネスパースンも目を通してほしい一冊である。
日本は現在、世界一巨大な財政赤字を抱えている。この財政赤字を減らさなければ、日本に未来はない、というのが著者の骨子となる主張だ。国の予算を企業会計のように損益計算書の形に組み替えてみると、分かり易い。国の税収は企業の売上高に相当するが、これが2010年度は約37兆円。国の一般歳出と地方交付税などが企業の売上原価と販売費・一般管理費に当たるが、これが約71兆円。この差額が企業でいう営業利益となるが、これが34兆円の赤字だから、売上高とほぼ同額の赤字を出している日本は、いずれ倒産が避けられない大変な赤字企業ということになる。この赤字を国の借金である国債の発行などで補っているのである。企業でいう経常利益の段階では、国債の金利支払いの約10兆円が加わるから約44兆円の赤字となる。金利支払いとは別に、国債という名の借金の元本を返していかねばならないが、これが税収20年分という巨額に上っている。国の財政が破綻すれば、金融が大パニックを起こし、預金封鎖などで私たちの生活も大変な状態に陥るのである。
国の財政赤字を支える巨額の赤字国債を大量に購入しているのが日本の銀行(都市銀行、ゆうちょ銀行)だ。ということは、私たちがこれまで苦労して貯めた預貯金が、自ら国債を買っているという自覚がないまま、日本の財政赤字を支える原資となっているのである。国債がディフォールト(債務不履行)になったら大変なことになるが、たとえディフォールトにならなくとも、インフレなどが起こって国債価格が暴落するだけで、銀行は大打撃を受ける。つまり、国債がおかしくなったら、私たちの資産も危ない、ということである。
デフレ不況の解決策として検討されているインフレ・ターゲットが、いかに危険な選択肢であるか、著者が警告を発している。この政策はデフレの解決策にはならない、たとえ解決策になったとしても、現在のような需要不足の状況下では銀行に痛撃を与え、場合によっては、一気に日本の財政破綻を招きかねない危険な道だというのだ。仮に、インフレによって金利が2%高くなったら、現在1,000兆円に積み上がっている借金(国債)の金利支払いが年30兆円と、税収の8割近くを占めることになってしまうからである。その上、金利支払いが増えるだけにとどまらず、国債の価格が一気に下がり、大量の国債を保有している銀行が痛手を受ける。ひいては預貯金を通じて国債を購入している私たちも大被害を被ることになるのだ。
著者が懸念する、巨大な財政赤字をさらに進行させ、日本を危機に追い込みかねない2つの危険予測――●少子高齢化、それに伴う貯蓄率の低下が財政危機を加速する、●中国経済の減速で日本経済も減速する――は、説得力がある。
FXってなんだろうと思って読んだ入門書だけでは、まだ取引するのにはちょっと不安だなと思っている人にお勧めです。FXをするのに必要なファンダメンタルの知識を知ることができたり、1日や1年のおおまかな為替の流れなどについて知ることができます。個人的には、これと合わせて別のテクニカル系の本なども合わせて読むというのが良いと思います。
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