といっても、批判しているわけではありません。 このバンド、かなりの曲者ですよ。 「夕凪ブルース」のイントロの轟音から泣きのメロディ。この流れを聴いたらかなりの衝撃を受けるはず!! 独自のサウンドは、これからの成長が楽しみになります。
クレーメルの演奏は力強く、繊細で、心に響く。特にこのCDでのFratres と Tabula Rasa の演奏は、他の演奏と聞き比べるまでもなく、これさえ聞ければ良い、と思ってしまうほど説得力のある演奏です。
ペルトの音楽は耳を傾ける必要もなく、自然に耳に入り、精神まで到達してゆきます。これはクラシック音楽の難しさや偉大さを嫌う現代には極めて重要なことです。 彼が中世やルネサンスの音楽に傾倒していることは、現代の私たちが伝統的なものや中世音楽を聞いたときに感じる精神的な高揚感を作り出していることから理解ができます。ただ中世音楽に近いというだけではなく、それの持っているエフェクトや素質を非常に巧みに抜粋し、個性的で完成度の高い楽曲を作り出しています、だからこそ自然に聞けるのでしょう。 ペルトは古代の音楽や哲学から音楽を創っていますが、20世紀以降に利用可能な楽器や音楽的テクニックを起用して作曲しています。例えば、バイオリンは現代的な奏法で演奏されているのですが、非常に自然に古代の音楽の雰囲気を感じます。これはペルトにしか出来ない技術でしょう。
更には、中世の音楽を復興しているというよりはそれを更に神秘的に表現しているようにも感じられ、現代の世の中の精神や文化の深さと同時に複雑さを理解し、その中から産まれてきたただ一つの選ばれた美しい音だけが鳴っているとでも言うのでしょうか。旋律がシンプルだからこそ、その中に複雑さや色々な意味が自然に湧き出してくるように広がり、それ故、私たちの精神を綺麗に満たしてくれる音楽なのではないかと思います。
岩波文庫のフランクリン自伝を読んで、原文に当ってみたい単語があったので、購入しました。あまりの安さにダイジェスト版かと思っていましたが、原文のとおりでお得な買物をしました。
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