このアルバムの企画としては、昔「名曲喫茶」で流されていた小品のクラシック音楽を家庭でどうぞ、という趣旨のようである。企画はどうあれ、よくあるオムニバスアルバムで、曲テーマもバラバラ、演奏家も玉石混淆である。曲によれば何もこのアルバムでなくとも、別の優れた演奏家から聴けば良さそうなものであるが、ここでの良いところは、何と言っても他のアルバムでは見つけにくい珍しい曲目を収録していることであろう。また、聴き覚えある曲ながら題名のわからない曲の題名を特定できたことも大きな収穫であった。
とりわけ私としては、「ハイケンスのセレナード」や「怒濤を超えて」「ドナウ河のさざ波」が興味深い。
特にハイケンスのセレナードは戦時中、「戦線へ送る夕べ」というラジオ番組のテーマ曲だった(らしい)のだが、印象的な名曲ながら原曲を聴く機会がなく、このアルバムを通じて初めて聴くことができた。また「怒濤を超えて」は‘NHKみんなのうた’の初期に合唱曲として採り上げられた曲で、私の幼少時によく聴いていたもの。
あと、このアルバムでは1曲ごとの曲解説がわかりやすく載せてあるのもうれしい限り。
時には、こうしたアルバムでクラシック小品を振り返るのも良いかもしれない。
このCDの曲は、どの曲も好きなのですが、なかでも最後の曲「六声のリチェルカーレ」は、あらゆるジャンルを通じて、私の最も好きな曲です。
最初から聴いていくうちに、このラストを迎えると、もうじーんとしてしまいます。
バッハを聴いてみたいという人には、この一枚をおすすめします。
結婚式の歌でさがしてましたが、値段も安く購入できて満足です。 選んだあとはなかなか聞くとはないですが、 数年後に聞いたらまた色々と思い出してよいかもしれません。
まず素晴らしいのは演奏家の顔ぶれであろう。ラリューやマリオンはフランスの、アドリヤンはハンガリーの巨匠として一世を風靡してきた凄腕の持ち主である。特にラリューはかのランパルよりも来日しておりフルートファンにはお馴染みの演奏家であろう。 選曲もフルートを聴いたことがない人にとっても聴きやすくなっている。特にフォーレの幻想曲は難曲であるにもかかわらず、マリオンと伴奏のパスカル・ロジェ(この二人の競演だけでもすでに文化遺産的価値がある!!)は難なく演奏しきっている。また、ラリューは主に有名な小品を吹いているが、そのきらびやかなであたたかい音色にはいつも心が癒される。 真剣に聴くだけではなく読書やお茶を飲みながら、といったBGMとしてもなかなかいいCDである。
このフルート・ソナタ集《忠実な羊飼い》は、じつはニコラ・シェドヴィルが作曲した作品であり、アントニオ・ヴィヴァルディの真作ではない。いちおう、現在ではそう結論づけられていますが、フルート奏者にとって大切なレパートリーであることに変わりはないでしょう。私はすてきな曲だと思います。
技術的な難易度がそれほど高い作品ではないために、演奏家はいかにしてフルートの音色の純粋な美しさを自然に表現することができるか、という一点に集中することになるのではないでしょうか。
私はマクサンス・ラリューの典雅な演奏を聴くたびに、当今はやりのピリオド楽器の素朴な響きも悪くないですが、こうした現代フルートの明朗な音色こそ、この曲に関しては花があって、いっそう相応しいと感じます。ヴェイロン=ラクロワのクラヴサンの伴奏も抑制がきいていて好き。
1970年代の来日の際のデジタル録音だそうですが、当時としてはかなり優秀な録音。ちょっとクリアーすぎるくらい。好みは人それぞれですが、もうすこしマイルドな音のほうが聴きやすいかも。それはともかくとして、コストパフォーマンスの高い廉価盤です。
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