リアル 10 (ヤングジャンプコミックス)
まだ始まりにすぎないんだよなって思わせてくれる漫画。
10巻になり三者とも大きく変化してきているはずなのに。
例え野宮がプロになっても、戸川とタイガースが大会に優勝しても、高橋が車イスバスケに希望を見いだしても。
結局はそれらはゴールじゃなくまだ始まりでしかない。
物語が今全体の何割目に差し掛かっているかはわからないけど、この漫画は完結してもまだ起承転結の起にあるような感覚を読者に与えてくれそう。
また来年が楽しみです。
トライアウト
藤岡陽子さんの本は初めて読みましたが、ものすごく引き込まれました。面白い!
小説としても素晴らしいのですが、自己啓発になるなと感じる場面も幾つかありました。
諦めなければいつまでも挑戦は続くのだと。野球ファンじゃない方でも大丈夫!ぜひ読んでもらいたい一冊。
REAL 11 (ヤングジャンプコミックス)
野宮が人生の目標として掲げたプロバスケットチーム東京ライトニングスのトライアウトの日が、ついにやってきた。彼がかつて憧れた元プロや海外からやって来たプレーヤーなど様々な経歴の男たちが集い、ついに運命のトライアウトが始まる…。
待望のトライアウトが描かれる第11巻。野宮の手に汗握る挑戦が全編をかけて描かれる。しかし待っていたのは彼だけでなく、一年に一度の刊行をもはや便りのないわが子のように待ち焦がれていた、コミックス読者とて同じだろう(笑)野宮を待ち受けているのは、他者を蹴落としてでも這い上がってやろうとしているバスケ猛者たち。そんな中、前々巻での「偵察」から考え抜いたプレースタイルを、野宮は活かすことができるのだろうか?
評者は『スラムダンク』という、おそらく後世に語り継がれていくバスケットマンガを描いた著者が、なぜまたバスケットを描こうとするのか、それが当初からの疑問だった。車椅子バスケを描くというだけなら、まだわかる。しかしそれでは健常の野宮の存在の説明がつかない。
だが11巻を読み終えた今なら、漠然とわかるような気がする。野宮にはPG(ポイントガード)としてのスピードもなければ、技巧もない。ましてや9回裏のサヨナラ逆転満塁ホームランのような、超常現象的な逆転劇を引き寄せる強運もない。彼の目線から描かれるのは、地に足の着いた「現実」だ。
しかし、そんな野宮をとおして描かれるのは、このマンガの読者全てが辛い日常を生きぬく上できっと必要になるはずのある“資質”だ。その資質とは何なのか?一刻も早く読んでもらいたい。
清々しい大勝利は用意されない。けれど、読んだ後に不思議と力のみなぎってくる第11巻。