青い蝶
ピアノのメロディーラインが坂本龍一を彷彿とさせ、まるで教授の作品を聴いているかのような錯覚を覚えます。そして実際、教授もフィーチャリングという形で参加されており、「チンサグの花」も収録されているのでアルバム「Beauty」の頃の雰囲気を感じました。
全体的にアンニュイな雰囲気を醸しだし、音楽がある世界観を伴って響きます。まるで短編映画のようだというレビューにも頷ける作品に仕上がっていると思います。
葬送 平野啓一郎が選ぶ”ショパンの真骨頂”
絶対に買いですね。
聞いていて、ふと、平野啓一郎さんが小説「葬送」を書かれていたころの風貌を思い出しました。
「葬送」は年々、重みを増してるような気がします。
芸術も消費されるためだけに作るられることも多い世の中で、作家がある決意を持って、自分の作品と真剣に向かい合い
そしてそれが、色あせないのは奇跡的なような気がします。
ただ、純粋にこの音楽に向かい合ってみたいと思わせる輝きが、このCDにはつまっています。
ショパン:伝説のラスト・コンサート
ショパン最後のコンサートを再現した話題性のあるCD。EMI所蔵の録音を厳選して並べている。選曲的に、コンサートを聴きに行っている雰囲気を楽しめる。
古い録音が多いが、リマスタリングが効いていて雑音はない。
私的には、フランソワのノクターン第8番がお勧め。しんみりと聴き入ってしまう。
オールソンのプレリュードも非常に良かった。
SWITCH vol.28 No.3(スイッチ2010年3月号)特集:東京事変[運動的音楽論]
シャネルを着こなし、フェンシングの剣をもった林檎さんが素敵で
アルバム「スポーツ」の製作中の林檎さんの姿の描写や
メンバー全員分のインタビューもあり
内容がかなり濃いものになっているので
事変のファンの方なら購入して損はないと思います。
また、林檎さんが描かれた大変可愛らしい絵が掲載されていたのも
個人的にとても嬉しかったです。
フラミンゴの村
アダン氏の妻が突然フラミンゴになったが、実は村のほとんどの女がフラミンゴになっていたというサスペンスがコメディ的に展開する。鶴の恩返しとカフカの「変身」
「砂の女」をヒントにして書いたのではないだろうか。構想は良かったが、謎が謎のままに中途半端に終わった気まずい感じがあった。
s社やk社の新人賞ものはとても読んでいられないほど非道いものだったが、この本は怖いもの見たさに読者にぐいぐい読ませる力はある。
もっと読者に訴えかけるような主張があっても良かったと思う。定価は1000円以下にすべきだっただろう。