特別公演「零の箱式」~ヨリヌキ初期作品集~ [VHS]
何も無い舞台。小道具も木箱のような四角いイスや細々としたモノ程度。そんな無機質な空間でラーメンズのコントが始まると、見えない背景まで見えてくる。
ラーメンズのコントは芸術的だと言われているが、それだけで片づけてしまうのはあまりにも勿体ない。勢いのあるコントもあり、むしろ勢いだけのコントもある。一見適当に思える展開にも実は、作・演出もこなす小林賢太郎氏のテクニックが存分に盛り込まれている。
片桐仁氏の、インパクトを凝縮したようなルックス。小林賢太郎氏の、ずば抜けた演技力。二人ともがどんな役柄を演じても、その世界に入り込める。
演技ベタを演じるという高難度の技を披露「文庫本」
片桐仁氏の一発ギャグの連続に、見る人は笑い泣きをする以外何もできない「タカシと父さん」
小林賢太郎氏の言葉選びのセンスに圧倒される「日本語学校」
などなど。
ポツネンの音楽
絶対欲しいとずっと思っていた。
買って少し経ってから
ずっぽりハマりだしました。
この曲の波長が自分に合わせてくれる感じ。
どんなときでも自分の心にくい込む感じ。
小林賢太郎さんのポツネン音楽で買ったけれど、
今は私の音楽になりました。
ラーメンズ第17回公演『TOWER』 [DVD]
『ALICE』、『TEXT』を経て、2009年のラーメンズが表現したのはカオス。
初期の公演を意識したのか解らないが、今回は何となく失敗しているような印象を受けた。『ALICE』では「小林賢太郎のプレーヤーとしての欲求を満たすため」と「いつも通り片桐仁がおいしい存在になる」と云う二つの条件をクリアするために、ラーメンズらしさをより強めた脚本が練り上げられていたし、『TEXT』は、日常に転がる『言葉』をもはや神々しいものに感じさせるような、ラーメンズの今のところの最高到達点だった。
しかし、今回の『TOWER』はどうだろう。シュールなアイデア一本を巧いこと構成し押し通していくようなお馬鹿コントが多めで、それはそれで構わないのだが、だったら初期の『home』『FLAT』『news』のころのほうが断然面白かった。
一本目の『タワーズ』は、謎の天の声から出題されるお題に沿って箱を組み立てていくと云うものだが、あまりにも使い古された手法だし、新鮮さもなく、途中から退屈になってしまう。ただその分、二本目の『シャンパンタワーとあやとりとロールケーキ』は面白かった。三本目の『名は体を表す』はさらに面白く、片桐のはっちゃけっぷりと小林の器用な変声と女海賊クリムゾンメサイヤの架空の活躍には爆笑した。だが、四本目の『ハイウエスト』では、『タワーズ』以上の退屈を感じてしまい、ほとんど笑えず、五本目の『やめさせないと』が心配になったが、これは普通に面白く、多少ベタ感が拭えなくても、ルームシェアと云う設定や『スターバックス』などと云った店名をダイレクトに出す感じが何となく初期のころを思わせた。問題は六本目の『五重塔』。これは、だいぶ好き嫌いがわかれるであろう代物だったが、僕はこの演目に一番笑いを消化したような気がする。最後の『タワーズ2』は、一本目と同じ設定。予期せぬところで出演キャラクターの振り返りがあり、そこで少し楽しめた位。
公演全体を見てみても確かに『ラーメンズ』なのだが、やはりどこか不完全燃焼だった。
百色眼鏡 [DVD]
あくまでPVです。ドラマではありません。ある晩見た夢を映像化したもの、そう思って見れば、ストーリーの不可解さや、謎を解決しないままの劇終もありかもしれません。
「秘めた恋」が作り出す、女の昼と夜の不思議な顔。
片思いに胸を焦がしたことのある人なら、澄ました顔と裏腹の淫蕩な願望と、葛城楓の家に現れる不思議な女の存在を重ねることが出来るのでは?
ここまで肌をあらわさないままに男女の謎めいた、性の匂いただよう情をストーリー、しかも短時間にまとめた力は唸ってしまいます。
「映像美」についてですが、確かに美しいとは思いますが、向上の余地はまだまだあるのではないかと思います。