主人公の岡ひろみが、宗方コーチに「私のテニスを教えてください。」と自らの意思を伝え、宗方の厳しい特訓が始まります。ひろみを後輩としてではなく、一人の異性として愛し始める藤堂貴之、ひろみの成長に心揺れるお蝶夫人、そのお蝶夫人に思いを寄せる尾崎勇、異母兄弟の宗方に複雑な思いを抱く緑川蘭子、オーストラリア遠征で知り合ったエディとアンジー、同い年で勝気なライバルの宝力冴子ら、ひろみを取り巻く様々な人間模様が、丁寧に描かれています。ひろみに打ち込む宗方仁の過去も描かれ、DVD-BOX(1)の前編に深みが増して、まさに「感動の嵐」です!ハンカチかティッシュを傍らに置いて、御覧になることをお勧めします。
知る人ぞ知る少女漫画の名作。未完だが、四半世紀前の作品にもかかわらず、スケールの大きさ、画力のレベルの高さは驚嘆に値する。登場人物名にはさすがに時代を感じてしまうが、20年以上の長い年月に渡ってコアのファンをひきつけておく吸引力はさすが。 物語は16世紀末の宗教戦争を題材に、海賊、インカの秘宝、ジプシーに泥棒、王侯の隠し子、男装の少女など、冒険小説のアイテムをこれでもかというように詰め込んで豪華この上ない。同時代のベルばらに比べてけれん味があるところも却って魅力的だった。 何度も再開が報じられ、そのたびにファンはやきもきする羽目に。私も20年ほど前に購入したコミックを持っているのだが、今回未発表ネームがついているというだけの理由で6巻を購入してしまった。十数年前にも再開のうわさを聞きつけ、本屋に日参した覚えがある。作者は大風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなったのではないかという気もするし、今となっては再開されても画風や作風が変わってしまうのではないかという悪い予感もあるが、それでも、続きが気になってしかたがない。
7つの黄金郷、第2部のスタートです。 この第2部連載開始当時、作者は絶好調だったらしく、絵もストーリー展開も 素晴らしいです。 舞踏会シーンでクレメンテ公ロレンツォが登場する場面などは 少女漫画名場面ベスト10入りは間違いない素晴らしさです。 このシーンのためだけでも未読の漫画好きの方には購入をオススメします。 時々、完結していないからこの作品は読みたくないという意見を聞きます。 おっしゃることはわかるのですが、 続きが気になって夜も眠れないという読者を抱え込むだけの値打ちがあるからこそ 四半世紀が過ぎても続きを期待されているわけです。 私見ですが、続きがなくても、ロレンツォさまに会えただけでも眼福でしょう。 クレメンテ公が嫌いな方には、各種美形キャラが年齢も幅広く揃っていますので よりどりみどりです。
一般に、エースをねらえ!と言えば宗方生前の前編が本質と言われることが多いようだが、これには断じて異を唱えたい。大きなドラマのうねりを見せる前編が一見派手だが、エースをねらえ!の本当の核心は、実は宗方の死後、文庫で言えばこの7巻から開始される。 まさに圧倒的。ほとんどこれは宗教に近い。この圧倒的な精神性の高さを、これから読む読者全てに感じてほしい。 エースを良く知っている人間は、「スポ根」というジャンル分けを聞くとキョトンとする。おおよそ、このドラマほど「スポ根」という言葉が似合わない本は無いだろう。人を高い所から引っ張り上げようとする、その強引さが社会現象にまでなって多くの人間に影響を与えた、圧倒的なドラマがここにある。近年放映された、TVドラマの陳腐さとは真逆の世界がここにある。
うろ覚えですが、『三銃士』や『岩窟王』やアルセーヌ・ルパン(だったかしら) そんな色々な面白さを詰め込んだ作品を書きたいと作者がどこかに 書かれていました。確かに影響をうけています。 舞台は16世紀末エリザベス女王の統べる英国。 スペインとの宗教戦争のまっただなか、王家の血を引く双子と 美貌の敵国人、そしてかっこいい同国人たちの恋の物語です。 伯爵や公爵や女王陛下や枢機卿などがでてきます。 ジプシーや泥棒や海賊や幻のインカの伝説なんていうのもでてきます。 こんなタカラヅカ真っ青のような豪華な設定の少女漫画が昔はあって 週刊誌で毎週読むことができたなんて、とても幸せなことでした。 確かに微妙に荒唐無稽だったり、歴史の考証ミスはありますが、 たとえば『三銃士』の荒唐無稽が決して作品のキズではないように この作品の荒唐無稽さも、作者の執筆の勢いとして、光り輝くように 感じています。 また、この歴史考証はどうのこうのというのも少女漫画の読み方としては つまらないものだと思いますので、西洋史に詳しい方も目くじらを 立てずにロマンの旅にでてほしいです。 読後に、登場人物の名前の由来を映画スター、歴史上の人物 小説の登場人物などに探したりするのも楽しいです。 もしかしたら、暇人向きでしょうか。 残念ながら未完ではありますが、1部から3部まであり、各部で完結した ストーリーですので、十分楽しめます。 1部と2部だけ読むという読み方もあるかもしれません。 この作品の完結を願っていましたが、このような素敵な漫画に 子供のころに出会えただけでも、私は作者にとても感謝しています。 そして、とても才能のある漫画家であった山本鈴美香さんが少女漫画界から 早くに去ってしまわれたことを、いつまでも残念に思います。
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