ごくまれにニュースを賑わすヘッジ・デリバティブといった言葉やウォール街の面々ですが、そのちょっとした
入門書としても本書は楽しめると思います。もちろん中心にあるのはジョン・メリウェザーを初めとするLTCMの
面々の行動や考え方、そして何が破滅を引き起こしたのかといったドラマですが、それはそれとして、世界の
バンカーの内幕にちょっとだけ触れられるという点でも面白いものです。
また、結局彼らはこれに学ばず、「今回は違う」というおきまりのフレーズに取り憑かれてリーマンショック
へと邁進し、この本にも登場するリーマンやベア・スターンズまで消滅するわけですが、それも踏まえながら
読むとさらに面白いでしょう。
LTCMの興亡に付き合ったはずの彼らもまた数字の伸びに取り憑かれて複雑に絡み合ったシステムの中で過剰な
リスクテイキングを行い、サブプライムパニックの中で流動性を消失して破滅するのです。
2010年冬現在、世界はアメリカの引き起こした過剰流動性と新興市場への幻想をテコに、大して実勢経済が
回復してもいないのに株価と商品市況だけは上げ続けるというバブルの様相を再び呈しております。
過剰流動性を引き起こし財政赤字が止まらず住宅ローン問題に苦しみ続けるアメリカ
デフォルトリスクに怯えるヨーロッパ
あらゆる面でその信用性は未だにとても盤石とはいえない中国を初めとする新興国
それらの国の景気上昇に頼る面が大きいオーストラリアを初めとする資源国
そしてそれら全ての国の景気に依存している商品輸出国日本
そして今度はリーマンショックの時のように回復手段が豊富に残されているわけでもありません
危機に陥ったときに生き残るために平常時何をしておくべきなのか
どうすれば危機に陥らないのか
そういった点の教訓も多く含む良書と思います
もちろん話の内容自体も面白いです。金融についての知識があった方が読みやすいとは思いますが、
この手のノンフィクションとしては比較的読みやすく分かりやすいです。
安心しておすすめできる金融ノンフィクションの一つですね。
待ちに待ったプロジェクトファイナンスの解説書。国際プロジェクトのリスクにはどんなものがあるか、それをどう克服して資金を調達するかが丁寧に解説されている。日本人が書いた本としては間違いなく過去ベストの内容。洋書の専門書にも十分太刀打ちできるし、日本人もここまで書けるようになったかと思うと同業者としても嬉しい。東インド会社の資金調達で始まる前半は、ウィットに富む文章で思わずにやりとさせられ共感出来る点も多い。後段の「関連する金融プロダクト」では、日本で解説書がない金融商品にも触れられており、貴重な情報が得られる。各章が1冊の専門書に匹敵する内容で、その意味ではこの価格でもお買い得だろう。プロジェクトファイナンスを糧とする人間として自信を持って薦められ一冊だ。
基本みじかいので、たいして良いところはないです。
石黒セリがまだ出たばかりということで、城エレンさんがメイン。
それにしても他の人たちが影薄いかなぁ、他社の作品にいった方もいるけどイマイチな人ばかり。
城エレンがよかったので自分としてはまあ満足。
GASの最初の歴史ですね。
緒川ゆうもまだいい作品ができてませんし。
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