元々、絵が苦手な著者がトーンで捉えられる(イメージ)ようになった
ルービッックキューブの話はマネしたくてもなかなかその境地には
たどり着かない。
ヒントのヒントが詰まってます。
タイトルの意味を考えると、当時キラキラだったあの“王子様”小沢健二を、そして90年代という時代を、自らの手で「過去の遺物として」葬り去ろうとした、そんな意図が見えてくる。
ただのシングル集ではない。これはもう、ひとつの作品である。
恐らく、当時から構想としてあったのではなかろうか。それはないかな。まあいいや。
内容は、青春時代の弾ける若々しさをそのまま音楽にしたような、そんな曲ばかりだ。そして「そんな時代にもいつか必ず終りが来る」と確実に悟っている歌詞。
「さよならなんて云えないよ」の歌詞に関しては、もう何も言うまい。小沢健二が天才といわれる所以がここにある。
青春時代の終わりという、ほんの一瞬を描いているのだ。
小沢健二に流れていた時間、このアルバムに収められた曲に描かれている時間、そして私たちがそんな音楽に夢中になっていた時間。
すべてが「刹那」の名のもとにリンクされていく。こんなうまいアルバムタイトルがあろうか。
みんな、「刹那」の中に生きていたのだ。
このアルバムの中にはそんな時間が確かに息づいていて、私たちは再生するたびに、まるで遠い日の写真の中に入り込んだかのように、フッとあの頃へと帰っていく。
アルバムの最後には1曲目のカラオケバージョンが流れる。
まるで芝居や映画の幕後に流れる、無機質で明るいBGMみたいだ。あの「はい、皆さん。これでおしまいですよ!お足もとにお気をつけてお帰りくださーい」みたいに、本当に余韻に浸る間もなく、あっけなく終わってしまう。
それが、切ない。切なくて仕方がない。
近松門左衛門の『大経師昔暦』に登場するおさん・茂兵衛の悲恋物語を脚色した作品で、タイトルが似ている秋元松代の『近松心中物語』とは全く関連性がない。
物語が盛り上がる場面では拍子木が打ち鳴らされ、逃亡中の身でありながらおさんに豪華な着物を次々と着せ替えさせるところなどは、歌舞伎を意識したケレン味のある溝口らしい演出だ。
男に頼らなければ生きていけない、いいとこの出の淑女おさんを香川京子が好演している。駆け落ちの相手を一人残して立ち去ろうとする茂兵衛(長谷川一夫)を追いかけるおさん。くじいた足を引きずりながら道に倒れこむか弱いおさんの姿を見たら、男ならば誰しも「守ってあげたい」と思うだろう。
今までのアルバムの中で一番聴きやすいんじゃないでしょうか。
尚且つ音楽の深みも味わえる、素晴らしい作品。
「シャッター商店街〜」、「私の赤ちゃん」、「PUNK JAZZ」など名曲揃いです。
「rollin' rollin'」「どんどん季節は流れて」は2010年代を代表する曲としてもいいんじゃあないかと思うぐらい素晴らしい。
本当に良い歌が詰まってます。
誰かに七尾旅人を貸すなら、最初はbillion voicesを貸すでしょう。初めて聴いてみようと思う人もこれから入ってもいいと思います。(911以外ならどれから入ってもいい気もするけど)
2010年現在、一番面白い音楽をやっていると思います。
こういう歌がマスメディアで大プッシュされたら日本の音楽文化も凄くいいものになるのに。
この雑誌の中に、井上陽水さんの武道館ライブDVDの記事がちょっとだけですけど載ってました〜^^
DVD見たんですが、「40周年」というだけあって、圧巻!の一言。
有名な曲が目白押しだったので、老若男女誰が見ても楽しめる1枚でした!
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