作家が,例えば村上春樹が過去の短編集を手直しすると評判が良くて,歌手がそうすると概して評判が悪いのはなぜでしょうか.小田和の場合も賛否両論です.それが,音楽と文学の違いなんですかね.でも,このCDは売れている.素直に受け入れられている結果ととるべきです.何回か聞いているとオリジナルアルバムみたいなストーリ性,曲のつながりが感じられます.自己ベストとタイトルをつけた理由もおぼろげながらつかめそうです.曲は生き物だし,その当時の自分やまわりがあってできるものだから,オリジナルを大切にする,いじらないという考えもあるでしょう.しかし,自分がやってきた仕事をもう一度見直す,それで変えられるのは作った人の特権と思います.また,何年か経って変わってもいいし,元!に戻ってもいいんじゃないですか.
もう何年も前に聴いた懐かしいオフコースそのままですね!家事をしながら聴いています!コープのカタログの値段より安く購入できてよかった!
前作よりも更に攻撃的。
自分自身が切り裂かれている気分。
予測不可能な変調に踊らされている感覚。
個人的には、秋の気配のアルペジオが好き。
1969年生まれの槙原敬之にとって1977年のオフコースの「秋の気配」や1978年の大貫妙子の「海と少年」を歌うことは、彼が影響を受けた音楽ヒストリーの確認作業だと見て取りました。
彼は、シンガー・ソング・ライターとして多くの名曲を作ってきましたので、コンポーザーとしての生来の感性が、その選曲に出ています。大江千里の「Rain」、LOUの「蒼い月の夜~Lady In Blue」にも共通する点ですが、歌詞の素晴らしい楽曲から選曲されているようですね。
サザンの「ミス・ブランニュー・デイ」、松任谷由実の「春よ,来い」、中島みゆきの「空と君のあいだに」、矢野顕子の「David」等の選曲も同様で、日本のJ‐POPシーンをリードしてきた偉大なアーティストへのリスペクトをいたる所で感じました。元歌の良さを崩さずに、歌詞を大切にして歌っており、素晴らしいヴォーカリストとしての槇原を再確認した思いです。
ゴダイゴの「MONKEY MAGIC」やY.M.O.の「君に,胸キュン。」の選曲には意外性がありましたが、彼の音楽形成に影響を与えた人達だということから理解しました。
小学校唱歌「朧月夜」 もいいですね。テンポとアレンジは、現代風になっていますが、歌わんとする気持ちは伝わってきます。素晴らしいハートフルな歌唱でした。
「うたうたい・渡辺美里」のまた新たな一面。「秋の気配」は、オフコースの名曲であり、美里の友人・槇原敬之もカバーしている曲。オフコースとも、槇原とも違う「女声(じょせい)」の「秋の気配」は魅力的。「ムーンライトダンス」などセルフ・カバーも良いが、一番このアルバムの中で光っているのは「故郷」。このスケールの大きな唱歌を美里独特のスケールの大きさで、見事にカバーしている。「この歌はこういう風に唄うもの」と言うお手本のような歌唱。底力を見た、聴いた1枚。
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