日記文学の最高峰であると考えている。
永井荷風という いささかひねくれた文学者が 自分の日常を綴っているだけと言ってしまうと それまでだが いくら読んでいても飽きない。
書いている時代は 大正6年から昭和34年だ。日本史上 もっとも激動の時代だったと言って良い。そんな「激動」の時代の中 永井が書いているのは どこで何を食べたであるとかどこの女性とどうした ばかりである。所々には その時代の影はきちんと描かれているが それは「舞台設定」として出てくる程度で 基本的には 永井個人の「欲」が書かれているだけだ。
そんな 極めて個人的な日記を耽読した人は多い。小津安二朗、川本三郎、田中康夫、アラーキー等が その影響を認めている。
武田百合子の「富士日記」もそうだが 他人の「日記」は 時に 実に面白い。でも それは何でなのだろうか。僕は まだこの問いへの有効な答えを持っていない。
本書はわたくしがふと古本屋で手にとった荷風の最初の作品である。これにより一瞬にして荷風ファンとなってしまい、全集をそろえて読んだりした。当時は長い作者贅言がついているのが不思議で新鮮だった。
あめりか物語とはまったく雰囲気の異るふらんす讃歌とも言える散文詩のような作品である。
永井荷風が、一生結婚しないと宣言しながら、女性達と楽しく生活をしてる。 そんな時に、純情なお雪と出会い、2人は惹かれあう。 紆余曲折をえて、結婚する2人だが、、、、 お雪(墨田ユキ)の演技が素晴らしいです。 艶のある女性ではないのですが、明るく、純情な役で、 底辺で生きている女性にあるような影がなく、 明るく人間として綺麗です。 私はHな映画なのかな?と思って、そんな気持ちで見ていたのですが、 途中で感動して泣いてしまいました。 苦労してきた人、他人の優しさに触れる事が少ない人は、 きっと感動する映画です。
河出書房新社の図説シリーズ最新刊、 カラーページで構成されたいわゆるムック本、 永井荷風の生涯と作品紹介がコンパクトにまとめらたファンには便利な内容、おそらく川本三郎の荷風関連エッセイ本の読者を最大の購買層として編集されたものとおもわれる、 20年以上ロング・セラーを続けている新潮社の文学アルバム・シリーズの永井荷風編を21世紀版として若干グレードアップした印象の好書(もちろん重複する写真も多い)、 眺めることを目的とすれば本書のほうが楽しいが、2冊を比較すればそこにもまた時代のうつりかわりが感じられるところも荷風ファンには得がたい興趣かもしれない、 星四つなのはロング・セラー確実の本なのにじゃっかん高価格の印象を受けたからです、
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