個人的には2010年度上半期のベスト5には入る(何冊読んで?はごもっともですが)よい本でした。エッセイ、旅行記、そして少し思想書が混じったような位置づけがあいまいな内容なのでナバホや臨床心理の突っ込んだ話が出てくるわけじゃありませんので、ハードな内容を求める方には不向きですが、軽く読めるのはありがたいです。
中沢新一さんが提唱している対称性人類学というものがありますが、それに通じるような対象性(人間も自然の一部)志向を徹底した生き方とはどういったものかをナバホ族の生活を通して知ることができます。
特に印象に残ったくだりはナバホ族の人類出現神話(第5の世界とか昆虫人間とか)、ナバホネイションとUS政府との関係、儀式を指導するチーフが決まるくだり(自然にチーフになったからといって別に偉いわけではない)、故河合先生がゲド戦記(本)を激賞していること、心理療法の3特定(芸術、科学、宗教)、強力な臆病者になろう、の件など。
ネイティブアメリカンの対称性に興味がある方はまずは読みやすいこの本を読み、引用文献から知識を広げるのがよさそうに思いました。
書店で目に留まり、購入しました。河合隼雄さんが推薦するだけあって、読むほどにナバホの世界に引き込まれてゆきました。神を信じ、自然を愛するナバホの人たちの生活模様は、著者自身がナバホで経験したもので詳細に描写されています。とくに著者自らヒツジを解体する場面は興味深かったです。良い本に出会えました。
前半は、ココペリとは?というココペリについて。
ココペリが運んできた言葉たちは、深いけど、率直でわかりやすい言葉が多いです。
私としては、それほど感銘を受けた言葉はないですが、「ふむふむ、そうだよな」という感じで、すっと体にはいってくる感覚で読めました。
後半の、1週間ココペリ旅の方が、私はおもしろく興味を持ちました。
モデルコースも乗っているので、いつか参考にして旅行したいと思います。
「こんなにのんびりと有意義に旅したいな」と思ったのが、この本を読んだ一番の感想です。
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