古事記を非常に分かりやすく丁寧に表現されています。
漫画で古事記を読むなら迷わずこの本をおすすめします。
ただ、個人的に残念と感じるのは、イザナギとイザナミを和解させた
ククリヒメノカミが一切描かれてなかったことです。
ククリヒメノカミがイザナギに何を囁いて二人を和解させたのかは
日本神話最大の謎です。
「未来の子供達が待っています。」というのがその答えだと思いますが、
人それぞれの見解があるため、ここは作者の見解を描いてほしかったですね。
それ以外は非常に良く描かれています。
買って良かったと思います。
正式タイトルは『未来からきた少年 スーパージェッター』
モノクロ版OP等のテロップに入っています。
加納一朗、筒井康隆、山村正夫、眉村卓、辻真先、半村良、豊田有恒
等が脚本を執筆
音楽は山下毅雄
この第一巻のみ
カラーリメイク版第1話が収録
モノクロ版は第1話〜3話が収録
第1話 未来から来た少年
話の流れは共に大差ありませんが
ジャガーのキャラクター変更や
ジェッターの顔が違うとかあります。
古事記のまんがは何種類も買って読み比べましたが、これが一番よいです。
「いなばの白うさぎ」や「やまたのおろち」などだれでも聞いたことのあるエピソードがまんがで分かりやすく描かれています。作者があとがきで書いているように、原書に忠実にかつ分かりやすいのが特徴です。
絵も強烈なアクセントや刺激的なセリフを使って読者の関心をひくのではなく、子どもでも楽しく読めるようにシンプルなタッチで描かれています。でも決して幼稚ではないのが高く評価できる理由です。
古事記を読んだことがないという人も多いと思いますが、ぜひ本書を1度手にとってみられることをおすすめします。世界観が広がり神社巡りや旅行が楽しくなることまちがいありません。
『まんがで読む 古事記』は平成21年以来、毎年一回づつ配本されています。 今年で4回目となる配本を楽しみにしていましたが、今年も無事開始 され、さっそく読ませていただきました。
今回の第4巻では「垂仁天皇とものいわぬ皇子」から 「父王(天皇)との再開」までが収録されています。
今回の主役は、「倭建命(ヤマトタケルノミコト)」です。 熊曾征伐と出雲征伐の話です。 非常に武張った話です。
歴史を振り返って思うのは、わが国は、武家が頭領でなければ 不安定な国だということです。わが国の神話である古事記で、 武の話が頻繁に出てくることはその証左でしょう。 わが国の三種の神器に、武の象徴である「刀」が含まれているのも 忘れてはいけない点でしょう。
おそらく人間は、幼いころにこういう話を知るなかで、目に見えない、 いちばん大事な魂の核を形成してゆくのでしょう。
古事記は、単に人を救うという甘ったるい理想を満たすのみでなく 「国譲り」に見られる謀略、外交の駆け引き、「征伐」における 戦いの描写など、実に現実的かつ政治的な面(国を救う)を表現する 面をもっています。
人間社会の鏡の裏表を表現し尽くしている点で、古事記という作品は わが国民の聡明さを示すものさしになっていることは確かでしょう。
そのためか、インテリジェンスや戦略研究の世界でも古事記は重視 されています。
「古事記はインテリジェンスの教科書」というのが 元陸軍中将の故・飯村譲さんや、その教え子・元海将の太田文雄さんです。 太田さんは『日本人は戦略・情報に疎いのか』のなかで、インテリジェンス面 からみた詳細な古事記分析をされてます。
ある面から見たら処世訓、ある面から見たら道徳書、ある面から 見たら謀略書、ある面から見たら政治書・・・きりがありません。
ことほど左様に古事記がもつ世界は無限で奥深く、尽きるところが ありません。
そしてそれは、わが日本なるものと直接つながる、日本人の魂の源 ともいえる伝承です。われわれは今、古事記にこそ戻る必要がある のではないかと思います。
そんななか生まれたこの企画。 先ほどいいましたように「年齢が下に行くほど知られていない 日本神話」という環境がすでにある中、価値は珠玉であるといえましょう。
回を追うごとに、キャラの引き立ちが見事になってきており、 はらはらどきどき感がアップしています。良くできています。 魅力的な登場人物とお手元で対話してみてください。
一つだけ注文があるとすれば、 もう少し色っぽいシーンを増やしてほしいです。笑
価格に見合わぬ上質な表装もうれしい限りです。 ざっくりと大きな時間が取れる今の季節にこそ、ぜひ読んでいただきたい 一冊です。一家に一冊ぜひどうぞ。
「まんがで読む古事記シリーズ」は、平成24年神道文化賞を受賞しました。 現在一番読まれている古事記まんがです。
いよいよ中巻(なかつまき)に入ります。
神代から人代に入るので、これまでのように登場人物が不思議な力を 使うことはなくなりますが、神の子孫ということで神様が間接的に助けてくれ ます。かの有名なヤタガラスも登場。いわゆる欠史八代の実在説・非実在説 について、双方の主張を客観的に紹介したまとめも見所です。
今回は歌(和歌)が入るシーンが多いのですが、コマの中でさりげなく歌う表現に なっているので物語がぶつ切りにならず非常にすっきりと読むことができます。 歌の現代語訳は巻末についているので読み手の好きなタイミングで訳の確認が可能。 2巻でも歌が登場しましたが、見開き1ページで原文と訳を全て表示させていたので 読みづらく、物語への感情移入も途切れてしまったので3巻の形式は良い改良点だと 思います。
全巻通じて登場人物が多すぎるので仕方ありませんが、同じような顔が何度も登場する ことになります(笑)とはいっても話ごとに主人公級の顔が同じというだけで、悪役や 主人公級を助ける兄弟の顔などはバラエティーに富んでいます。神代と違って 人ならではの人間味ある話が切ない巻です。次巻も楽しみです。
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