スクウェアの名作RPGとして名高い「ベイグラントストーリー」。 同社の名作である「ファイナルファンタジー(FF)」を彷彿とさせる美麗なグラフィックですが、その奥の深さはFFシリーズの比ではありません。 チェインアビリティやリスクなど、このゲーム独特のシステムを理解し、さらに、1度クリアしただけでは解けない、更なる謎解きに挑戦するためにも、必携の1冊ではないでしょうか。 既に絶版となっており、入手するには古本やオークションを利用するしかありませんが、単に読むだけでも、その奥深さをじっくり堪能することが出来ます。
ゲームをやっていて感じましたが、非常に場面とマッチしている音楽ですね。 崎元さんの作品の中でもこのベイグラントストーリーの曲が一番好きで、しばしば聴いています。 特に、レアモンデの様々な建物や洞窟での曲はその場所の雰囲気やアシュレイの心境、 イベントの曲はその場面や登場人物の雰囲気、 ボスの曲は怪物の強大さが聴いていて思い出されます。
ダンジョン、という言葉を使うのも何年かぶりですが、 (ゲーム中のキャラが)強くなっていくのが楽しい人向けのゲームです。そのために、 道に迷うおうが、 モンスターに殺されようが、 プレイ時間がやたらと長かろうが、 (キンカンキンカンと手間と時間がかかる戦闘にも飽きずに) 先に進むことが楽しいと感じられれば、 必ず記憶に残るゲームになります。 よくできた箱庭のゲームだと思います。
まず、ゲームがはじまったらスタートボタンを押して、周囲を見回してみる。
洞窟というものをこれほど真面目に描いた作品は他に思い当たらない。しっかりとした陰影が写実的というより絵画的な美しさをかもしだす空間。
地上に出ることが出来たなら、古都レアモンデのすばらしい景観を思う存分に楽しんでほしい。(高難度といわれる戦闘の最中でも、スタートボタンで景色を眺めている間はゲームが止まっているから問題ない)
かつて人の温もりがあったことを感じさせる街並み、ゆっくりと建物を飲み込む蔦、街の片隅でひっそりと流れつづける小さな泉。なんという美しさだろう。
地下街の淀んだ空気もまたよし。巨大な教会の荘厳な雰囲気も忘れられない。
ディスク1枚で行ける観光旅行といった楽しみ方で、今でもたまに引っ張り出して遊んでしまう。
難易度が高くてどうにも…という方にはちょっとしたアドバイス。
切断、貫通、打撃、各属性の武器を最低1本づつ持ち歩く。ザコ相手でも敵にはこまめにストレングス(状況によってはストレングス以外でも)を下げる呪文をかけ、自分は逆にストレングスかアジリティを上げる。与えられるダメージが低すぎるなら武器を変えてみる。
チェインアビリティは全く使わなくても十分クリア可能。きっちり補助呪文をつかっていけばリスクが上がりにくい分チェインを使うよりも楽かもしれないぐらい。
武器合成は無理に最強のを作っていく必要はない。同系統で攻撃力が近いものどうしを合わせていけばそれなりのはできる。
余談だが、バ(ヴァ)レンディアという国名はサターンの名作「プリンセス・クラウン」の舞台と同じ。人々が日常的に魔法を使っていたメレンカンプの時代とはひょっとするとグラドリエル女王の…いや、偶然の一致。
PS末期にスクウェアがリリースしたRPG。
一見するとアクションRPGっぽくもありますが、アクション的な要素は追加攻撃・防御時の目押しと足場の飛び移りぐらいで、 反射神経等々が要されるような場面はあまりありません。 むしろゲームとしてはガチガチのシステム・数値寄りのゲームと言えます。 プレイヤーキャラ自体は敵を倒してレベルアップするという要素がほぼなく(ボスを倒したときにランダムで1能力だけ上昇します)、 その分ステータスアップアイテムや補助魔法が大きな意味を持ちます。 一方で武器・防具は合成により強化できる他、使い込むことで強くなったり、こつこつと積み上げる要素が非常に強いです。 敵の耐性がかなりはっきりしているため、いろいろな武器を適宜持ち替えながら進める計画性、戦略性も必要とされます。 プレイヤーが創意工夫しながらじりじりと進めていくタイプのゲームですが、何をすべきかということがゲーム内で能動的に示されることがないので、 ゲームに慣れることができるかどうかというところでまず難易度が高いです(ゲームの舞台は廃墟と化した都なので、ヒントをくれる町人なんていません。 ただしオンラインヘルプの内容は結構充実しています)。 一応、敵のHPに対して割合ダメージを与える追加攻撃等でごり押しクリアも可能と言えば可能(それが楽かどうかはともかく)。
演出面はポリゴンデモのカメラアングルや間の持たせ方、主張しすぎないBGMと環境音が、 グラフィックはテクスチャの書き込みや陰影による質感の表現が(余談ですがPS2のテクスチャ補間を使うと凄まじい効果が発揮されます。必見)、 ストーリーは細部に関しては全てを語らず想像に任せるような作りが、それぞれ非常によく出来ています。 人知の及ばぬ「魔」の巣窟としての雰囲気づくりとしては最高なのですが、 こちらも万人向けとは言いがたいのは確かで、合わない人には地味、暗い、わかりにくいと、どれもモチベーションを上げるにはしんどく感じてしまうかも。
某誌のレビューで満点を取った事が有名なゲームですが、実際、全ての人が楽しめるゲームかと問われれば、自分は首を横に振ります。 四人いて、四人とも手放しで褒めるゲームでは確実にないでしょう。 ただし全ての要素がよく作り込まれており、波長の合う人にはこの上なく楽しめるゲームであるのもまた事実で、そういった意味で評価が難しい作品です。 自分は合う方だったので、この評価としました。
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