ピアニストにとって取り組みたい曲として最近復活し始めたヨーク・ボーウェン、一時期全く忘却の彼方にいってしまった。自身自分は時代に合わせて作っていないと告白していた。そんな中でも自分の主義を変えなかった。N/Medtnerなんかもその一人だ。ラフマ二ノフもそういう意味では同じである。久々の復興を始めたのがDuttonとChandosレーベル。日本でもファンが増え始めている。しかし、某雑誌に登場以来それこそボロクソに叩かれていた。Scottと同じくそこまで言わなくともと、ひそかに同情していたが、私から見てももっとピアニストっぽいラフマニノフという印象で、そんなに悪くは無いと感じていた。但し管弦楽作品は古風でいただけない。しかしことピアノ曲にかんしては支持者も多く、S・ハフなんかがピアノ曲選集を録音したりして実際面白く聴けた。そうしているうちにやがて彼の真価はBowenの研究家でもあるCelisの登場で一変した。最初はそれ程印象に残らなかったのだが、ここに来て説得力のある演奏に変貌してきている。トッカータなどはその一例だろう。このアルバムからBoewenは入ると良いと思う。全集の完成を期待している。
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