ライブで、ウーマン、天然の進化などを聞き、このアルバムを購入。恐ろしい。恐ろしいほど研ぎ澄まされた感性。割り箸で割り箸の袋を気合で切るなんて技があるが、あれなど簡単にやってしまうだろう。その真っ直ぐな眼差しと声に、「殺されそう」になるが、それはちゃんとわかってくる。「お前を死なせしない」という真剣さ。「俺を死なせはしない」という真剣さ。旅芸人を続ける加奈崎氏の人生の道程、聞けばわかる。夜に聞くと、鋭すぎて眠れないほどだ。個人的にはこのCDには入ってないが「最後の誘惑」が最高である。殺意を持ったアーティスト、それが加奈崎芳太郎である。
正直、この内容でこの値段は高いと思う。 特に、著者である二人にあまり興味のない、若い世代の清志郎ファンはちょっと手を出しにくいかな・・?と。 しかし、オールド(?)ファンにはそれなりに大きな収穫があった。
泉谷と加奈崎の対談もあるものの、ほとんどそれぞれ二分されたページを受け持つカタチをとっており、わりと軽く読める作りになっています。
泉谷は基本的に"RC、清志郎ファン"とゆう括りから少しも逸脱しておらず、その辺のキヨシファンが寄稿しているのと何ら変わらない文章です。 実際、どこかで見聞きしたような既出の内容が多く、目新しさがほとんどなかった。 ホントに"お調子者"過ぎて、清志郎でなくても距離を置いて付き合いたい気持ちは、読めばよく判ると思います。
清志郎の73年、古井戸への寄稿文をはさんで加奈崎のパート。
終始冷静に俯瞰から言葉を置いていく文章は、それだけで読んでいて好感が持てた。 さんざん昔から清志郎やチャボの本やインタビューを読み漁ったけど、たとえば、チャボとの出会い、古井戸としてのRCとの邂逅、古井戸の解散時、RC絶頂期等・・ 数々のクライシスモメントを共に過ごして来た男の"事実の裏づけ"を読んでいるようで、たいへん貴重な記録だと思った。
特筆すべきは、『デイドリームビリーバー』の訳詞は義母に捧げられたものであること、リンコさんの中での"RC"への想い、なぜ90年代以降"愛、夢、平和"といった直接的な言葉を清志郎が多用するようになったのか?・・の加奈崎の解釈が的確なような気がして、その部分だけでも、お金を払って読む価値は充分にあるでしょう。
圧倒的な歌唱力は健在で、大人の成熟したアルバムになってます。
本人の音楽性は巷の売れるような音楽では決してないのですが、心の叫びであったり、人間としての当たり前の感情を歌ったもののように感じます。
個人的にはOLD50、ジャパニーズウェディングソング、アルパイングロウなどがお気に入りです。
音質も良好です(^^)
加奈崎芳太郎のアルバムは現在までにかなり多くのものがでているが、これこそが最高傑作だと思います。後年にでたものとはは歌唱法が大きくことなっていて、のびやかな彼らしいゆったりしたボーカルを過不足のないバック演奏とともに味わえます。時はRCサクセション全盛の82,3年。後追いで(古井戸の解散ライブがレコード店の注文でようやく手に入ったが、そのほかのオリジナルアルバムはすでに廃盤。という現在から比べると、考えられない、不遇な時期だった。もちろんこのアルバム自体も注文で入手。)古井戸の音楽にふれた私は、チャボこと仲井戸麗市参加のB面1,2をききながら、古井戸が解散していなかったら、こんなかんじだったんだろうなあと非常に感動したものでした。B2のラストチャンスは仲井戸麗市のオリジナルで、ポップでメロディアスな佳曲。B1は古井戸のラストアルバムで仲井戸がボーカルをとった曲の再演で、加奈崎のこちらと聴き比べができたら面白いはず。もう25年以上も前のアルバムになりますが、今聞いても古臭いかんじはないと思います。今年、還暦を迎えた加奈崎芳太郎はニューアルバムを発表して、ますます精力的に活動中、新しく彼のファンになった人にも、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
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