とかいいつつ、自身は☆五つなほどに好きなアルバムだった。
フジロックで本作に収録されていた曲が5曲プレイされていたのだが まぁなんとも煌びやかで、美しく、楽しいステージであった。 そんなこんなで馴染み深くこのアルバムを聴きはじめることができ Every Teardrop Is A Waterfallのイントロが流れた瞬間 その光景が一気にバッ!ッとフラッシュバックし、涙が流れそうになった。
今作はやはりこの底抜けな明るさ、ポップさといったところが特徴なのだろう。 ミドル〜バラードナンバーの楽曲な質が買われる彼らだが今作はそれをうまく裏切り 恐らく人気の出る曲に関しては、とにかく明るく仕上げている。
前述のフジロックの件、不思議なことなのであるが、 これらの曲群が往年の曲に混ざり合って、上手くコントラストを生み出していたのである。
一曲目からアクセル全開?な今作であるが ちょっとスローな曲に耳をかたむけてみると、なるほど彼ららしい(?)。 きちんとしたアコースティックナンバーも織り交ぜられているのである。
彼らのアルバムは初聴は何とも地味な印象をもち、段々と味わいを覚えるものが多かったと思うのだが 今作の今までと違うところは、その点であろうと思う。 一曲目、一聴目から聴き手をつかみに来ているのである。
今作をあまり評価できていない方は これまでの作品との明らかなコントラストの差に困惑してしまった方が多いのではないかと思う。 あまりこの言葉を使いたくないのだが、まさに コールドプレイが好きな人が聞くと好き嫌いがわかれる作品、なのではないだろうか。 ポップ好きにはとても人気!?笑
しかしながら時代は進み、アーティストも進化し、場合によっては思想も変化するのである。 昔ながらの作品がいい!という人もいて然りだが 他のアーティストの新しいアルバムにも「らしさ?」などというものを求めて 良さを見つけない、られないというバリアを張ってしまう気がする。 今のコールドプレイはこうして存在しているのである。
サカナクションというバンドというかチームの特徴は、音の方向性が非常に明快で、本作も期待を裏切らない出来です。
それは典型的テクノ/エレポップなどを軸に、一聴するとポップ/ロックの王道路線からは、遠く距離を置いているようでいて、
聴いていくと実は、メロディや歌詞など聴くと結構熱いものがあり、
近年のロックの王道とも言えるくるりやアジカンなどにも通じるものがあることからも分かります。
つまり普通だと相反するはずの音楽性を折衷して一般受けしていく作品を生み出していく、これが彼らの方向性であり一貫したコンセプトです。
そういった意味で、マーケティングに対する狙いが明確過ぎて、本来のロックのダイナミズムに少々欠けるのも確か。
そのためクオリティは高いが、それ以上の音楽のマジックが欠如しているところは変わりなく、この作品も今まで以上でも以下でも
なく、やはり最終的にはこじんまりと落ち着いてしまっている気がします。
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