映画版「エスカフローネ」のサントラにはまり、TV版のサントラも同じ人が作っている事を聞き購入しました。 本作は、菅野よう子さんと溝口啓さん、二人の作曲家によるコラボレーションCDです。 「天空のエスカフローネ」は「高校生の女の子が異世界に…」という、パターン的にはよくあるお話です。 私が思うに、「異世界」というフィールドの広がりを創り出すのが菅野さんの担当で、その世界に落ちてきた「女子高生」の、繊細な心境を表現するのが溝口さんの担当だったのでは…。作曲者別に音楽を聞き比べてみると、いい意味で分かりやすい個性があるのが分かります。 「確固たる存在感を放つ異世界の魅力」と「感情移入できる主人公のメンタル面」、どちらにしろ視聴者を番組に引っ張り込むのには不可欠な要素だと思いますが、この音楽はそのどちらもカバーしています。 作曲者が二人いるのには、こういう理由もあったのではないか、とも思います。結果オーライで、バラエティに富んだ出来になっています。 両者のファンはもとより、音楽で異世界を感じたい人にも、癒しよりも少し疲れるくらいの強い個性にぶつかりたい人にも、「エスカフローネ!」という力強い男性合唱が聞きたい人にもおすすめ。じっくり楽しめます。
1944年に起きたワルシャワ蜂起に関する本は、あまり多くなく一般的には「ドイツ占領下での反乱」として簡単に記述される事が多く、ワルシャワ蜂起に関する詳細な経緯について書かれた物も無い状態であったが今回のこの本は上下2冊で各500頁に及ぶ詳細なものである。 上巻ではポーランド国家の歴史から第一次世界大戦〜第二次世界大戦、ポーランド占領後の国内外の抵抗活動そして反乱の開始までが書かれており、下巻では反乱の推移、そして反乱鎮圧〜その後までをポーランド反乱側、それを支援する米英、亡命ポーランド政府、と支援するふりをして実は弾圧して占領後の支配を有利に進めようとするソ連軍と徹底的に弾圧するドイツ軍が複雑にからみあい「ワルシャワ蜂起」、戦後のポーランドの運命を決めていく過程が各国の証言を織り交ぜながら詳細に書かれている。 又各巻には冒頭に写真があり、下巻には詳細な付録として地図等が約50ページ人名地名等対照表、写真解説等が約30ページあり 資料も充実しており、非常にボリュームがある本ですが「ワルシャワ蜂起」に関する本としては、非常にいい本だと思います。 あえて問題点を挙げるとするならば、上巻の半ばまではポーランドの歴史記述が占めていますので「ワルシャワ蜂起」のみを知りたい人にはちょっと苦痛かな?とは思いますが、反対にこの機会に「ポーランド」の国をより知るのにはいい機会では?と思います。 (簡単、簡潔にワルシャワ蜂起を知りたい方は、サンケイ出版の「ワルシャワ蜂起」を薦めます。)
音楽に造詣の深い人なら迷わず購入するのでしょうが、私の場合気に入ったものが5枚もあれば損はしないという程度の気持ちで買ってみました。1枚あたり200円以下という価格自体が信じられないことですが、グラモフォンやアルヒーフといった老舗のブランドだけあって音質は問題なし、肝心の選曲と演者もそれなりに選び抜かれたもので、決して駄物ではないことが手にしてみて判りました。玄人は、自分の秘蔵盤と聴き比べる楽しみを味わえるでしょうし、一般人には、自分で選んでこれだけの名盤を揃えられる人はまずいないでしょう。むしろ決して自分からは手にすることのなかった盤を聞いて、確実に新たな世界が広がるはずです。当節、1万円という価格は決して低いハードルとはいえませんが、意を決して買った後の満足感は、まあこの値段なら仕方ないかというネガティブなものでは全くなく、ただただ感動の一言でした。
こういうきっぱりしたシューマン像はいい。クリエーター、道を切り拓いてゆくひとでもあったのだから。リヒテルの演奏は美しい音は全くいやみなく美しい。希いや不安、まよいや決断というようなの心のひそかな対話は、そのピアノの音の美の中で解決されている。シューマン自身も喜ぶような肯定的なシューマン像がここにある。最高の演奏の一つのはずだ。
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