澁澤訳「悪徳の栄え」下巻。基本的には、上巻と変わらないが、宗教や道徳の偽善を糾弾するジュリエットの舌鋒いよいよ鋭く、悪に徹する心に隙が出来た人間は悉く姦計によって葬り去られる。これは一種の風刺文学というべきだろう。とにかく出てくる少女は悉く「絶世の美女」で、次から次へとジュリエットやその取り巻きの餌食となる。上巻と同様、知っておくべき性語が若干出てくる。強蔵(つよぞう)=精力の強い男、香箱=女陰、鑓尖(やりさき)=陰茎、腎水=精液、愛液、等々。しかし、これらは江戸期以前にその出典が求められるもので、ヨーロッパ文学である本書の訳語として必ずしも適切ではないかもしれない。わかりやすい訳ではあるが、全体に野暮ったい雰囲気がするのはそのせいだろう。
とかくファッション性ばかりが話題になりがちなシャーデーの、ベストビデオ集。 デビュー当時から、彼らのスタイルが確立されていたのだとわかる。 曲だけでは伝わりにくい、彼らのコンセプトがうかがえるような作品ばかり。 「ストロンガー・ザン・プライド」までのビデオには、バンドメンバーが仲良く映っているのに、「ラブ・デラックス」からはソロシンガーのビデオクリップみたいになってしまった。それでも、四人組のバンドには変わりないけど。 「プロミス」「ストロンガー・ザン・プライド」の頃の、彼女の恋愛を写し取ったかのような、愛の至福の光景。 「ラブ・デラックス」からは、母性や暖かさを感じさせながら、同時に孤独も乾きも感じさせる手触りの作品たち。 目と耳から、彼女の世界のイメージを、膨らませてください。
客席とステージが一体となった熱いライブ。個々の演奏の素晴らしさもさることながら、計算されたステージの流れも最高。ファンキーな Scratch からいきなり全開。ビートルズナンバーの Eleanor Rigby は10分を越える熱演。(LPではここからB面)アーシーな Hard Times から、都会的なアレンジでキャロル・キングの So Far Away と続く。ここでは2ホーンのロングトーンで客席を沸かせた後、何事も無かったかのようにラリー・カールトンのギターソロ。心憎い演出である。名残惜しい思いを抱きながらメンバー紹介から最終曲 Way Back Home へと続く。出来すぎである。まさに至福の40分。
私は英会話教室で、生徒達にこのテキストを使わせていますが、中学生でも大人でも英会話初心者にぴったりな教材だと思います。Side by Sideシリーズはお勧めです。
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