廉価版に特典を期待するのが 間違っているのでは・・・ 本編さえ見れればいいと思うけど! 特典が見たいのならば、廉価版ではなく 初回版を購入しないと! どうしても廉価版しか買えないのなら 特典は、諦めるしか無いでしょう・・・
太平洋戦争下のビルマ、日本軍は鉄道を通すために、英軍の捕虜に橋をつくらせる。捕虜部隊の隊長は、立派な橋をつくるのは英軍の誇りであるとして、部下を督励してついに完成させる。一方でセイロン島の英軍ではその橋を爆破する計画を立てていた。
隊長のアレック・ギネスは、苦心の末につくった橋を、最後には自分で爆破させる結果になる。この逆説が戦争の狂気を強調している。このテーマは重い。しかし、そのことと映画の完成度がどうであるかは別の問題で、お手軽で芝居がかった場面も多く、格調高い映画とはおもえない。
それにしても、無用の軍刀をさげた日本軍の大佐、ピリッとしない日本兵の態度、遅れた機械力は情けないほどで、日本人の私としてはあまり見たくない映画である。
BC級戦犯の悲劇を描いた「私は貝になりたい」と、あわせて読みたい一冊。
「泰緬鉄道」は、南京やバターン「死の行進」とならんで、欧米諸国ではよく知られてきた日本軍の残虐事件。本書は、鉄道建設の様子を現場でつぶさに描いたイギリス人捕虜、ジャック・チョーカーのイラストをカラーで紹介している。かなりショッキングで残酷なイラストも少なくない。
だが、本書が訴えているのは、日本軍の問題行為の「告発」ではなく、相互の歴史の学びをふまえた「和解」である。チョーカーは、日本に謝罪や補償を要求せず、互いに歴史を学習することの意義を強調する。
複雑な「歴史のひだ」のなかで、かつての敵同士が、加害者も被害者も共に歴史に対して謙虚であるということが、本書のいう「歴史和解」の前提である。
「和解」の論客である朴裕河と小菅信子、ビルマ研究家の根本敬による座談会は、さまざまな意味で非常に刺激的である。小菅のいう、和解は非常に困難な課題であって、一度に100点満点はとることはできない、だからこそ、「0点よりは40点、40点よりは60点」をめざして相互に多様な取り組みをすべきだ、という議論は印象的である。
また、朴と小菅が口をそろえて、「国際和解」よりも「内部の和解」「国内和解」のほうが困難と指摘している部分は示唆に富んでいた。
本書でなされている議論の多くは、今後の国内の戦争責任論や「和解論」の展開のための、良い叩き台になるだろう。
トーゼンながらの名作ッ!
あまりのオリエンタリズム臭と保守的ジェンダー観に
今となっては鼻白むが、ちょっと我慢してでも観るに値する作品
とくに印象深いのは、幾重もの意味連関が織りこまれた脚本
そして、かの有名なクライマックス
やはりこのサスペンスは、セットの雄大さと相まって、さすがの一言!
そして、間髪いれずにラストシーン!
シンプルな構図の明るい画面と乾いた音楽
そこに重なる台詞「マッドネス」…
これにはゾクリときた… 狂ってる…
数十年ぶりに観たが、こんな狂気をはらんだ作品だったなんて…!
巨匠デヴィッド・リーン畢生の大作。2時間30分全くだれること
がない。
外交の最終手段としての国家間の戦争が、決定的に異質な他者と
してしまう状況で、それぞれの立場に誇りと矜持を持って生きる人
間の姿を雄大なるビルマの風景の中で描く。
本来敵対関係にある日本とイギリスの将校の間に不思議な友情が
生まれ、味方同士であるはずの別部隊のイギリス人将校やアメリカ
人中尉と殺しあう。このことは、他者を理解しあうことの本質的な
困難性と、同時に国家間の争いが須らく個人の意志を支配するもの
ではないということを示している。
それは戦闘だけではない。行軍における植民地のビルマ人達との
交流や協力は、作戦遂行という本来の目的を逸脱するほどであった
し、頑迷な日本人将校を演じた、往年のハリウッド・スター早川雪
洲との関係の変化にもそれは表れていた。
イギリス人将校(アレック・ギネス)に、彼は芸術家を目指して
ロンドンに行ったが、才能の限界を感じて技師として入隊すること
を選んだと告白するシーンがある。遅々として橋の建設が進まない
のは、技術が不足していることを技師として知っていた。ロンドン
に留学していたという彼にとって、大英帝国が持っている力は十分
に承知していように思われる。根性主義の精神主義者ではない。む
しろ、任務を遂行することを至上命題としている官僚主義ではない
か。
ひっそりと流す悔し涙は、愛国心と軍隊の規律、そして西洋文明
の底力を知ることとの葛藤の産物なのだろう。そこに、ギネスと同
様の誇りと矜持をみる。
運動会で慣れ親しんだ「クワイ河マーチ」の軽快なメロディが、
重厚なストーリーのなかにあってすばらしいインターミッションと
なっている。史実の検証はまた別の話であろう。
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