剣岳、日本の名峰の一つ。かつて地図を作るべくプロとしてこの山に挑んだ男達がいた。新田次郎原作なので、華麗さでなく、人間の真剣さを求める作品。撮影陣も現代装備で、(といっても人力なのは変わらないが)険しい山に挑んで映像作品として仕上げた。
自然と人間をみなおしていこうよ、というメッセージを秘めた、美しい風景映像、まさに命がけで撮影した文学映像として楽しみたい。
筋書きは、自然と人間の接点を時代時代にどうとっていくのか、という所だろうか。
雪の八甲田の怖さを甘くみた当時の軍上層部が、現場にどんな指示をしたのかも推測しつつ、仕事を淡々とこなす地図屋の現場。
それを現代に映画とした撮影陣もプロ。
日本の自然は壮大で美しく、そして時として牙を剥く。
甘くみてはいけない。ただ自分の足で、近づける範囲で楽しみたい。
なお、篤姫が庶民の妻を演じても、篤姫。そしてかわいい。
新田次郎の小説を先によみ、感動して、本DVDを購入しました。
一時期は、DVDはもちろん、小説自体も手に入れることもできなかった作品のようです。
誰でも手に入れることができる環境になったのは大変よろこばしい。
小説にくらべて、白樺派のことなどがはしょられているため、こちらだけを見ると、やや理解しにくい場面があるかもしれない。
しかしながら、教師とはないか、ということの本質は、決して省略されているわけではないので、十分見応えのある映画になっている。
鶴田浩二や岩下志摩の演技もすばらしい。
教師とはなにか、を考えさせられるいい話だと思います。
ぜひ、多くの人に観てもらいたい。
この武田信玄の大河は、現在の大河にない、重厚感があります。 まず、それぞれの役者さんの演技や戦闘シーンなども、重々しく、 それがすごくかっこよく、見入ってしまいます。 買って損はないと思います。
邦画を甘く見ていた自分が情けないほど、この映画はいいです。高倉健の作品の中でも私はこの作品が一番好きです。映画は古い作品のほうがいいですね。下手にCGとかを多用するより、こういうきちんととった作品のほうが訴えてくるものの重さが違います。 雪中行軍の訓練として冬の八甲田山を踏破するという命令を受け、高倉健扮する徳島大尉と北大路欣也扮する神田大尉が八甲田踏破へ向かいます。雪山の怖さを知り尽くし、入念な準備と計画を練る徳島大尉に対し、上層部の命令にそむけず無理な編成で八甲田に望む神田大尉とを対照させながら、雪山の恐ろしさ、軍部上層部の傍若無人な態度、厳しい規律などを克明に描いています。次々と発狂し死んでいく兵士たち、寒さと孤独の恐ろしさがここまで人の心を蝕むのかというほどリアルで、ぞっとします。本当に現実にあったことなのかと信じられない気さえします。しかし、この雪中行軍を無事生き残った徳島大尉の部隊も別の戦場で死んでしまうというテロップを読んだときには、何か虚しさがこみ上げてきました。戦争というものはそういうものなのかもしれません。 余談ですが、この作品の中に若かりし頃の秋吉久美子と、加賀まり子が出てきますが、めちゃくちゃかわいいです。 この作品を見た後には是非原作である、新田次郎著の「八甲田山市の彷徨」を読まれてみてはいかがでしょうか。
小学生低学年だった頃、6時からのNHK少年ドラマシリーズを楽しみにしていました。 SFシリーズはわかりやすくて良かったのですが、「つぶやき岩の秘密」だけはおどろおどろしい感じがし、1人で見るのが怖かったです。どんな話だったかもよく覚えていなかったのですが、今回この本を読んでやっと筋書きを理解しました。最後の結末も知らなかったのでこの本で読めて良かったです。新田次郎の小説は読んだことがないのですが、テレビで放映されていた時代も戦後の面影が残っていたことが思い出しました。 またこの本を読んでいる最中、頭の中で石川セリさんのテーマ曲「遠い海の記憶」が聞こえていました。
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