1927年、『ジャズ・シンガー』が劇場公開されたことで
ジャズ・シンガー ランキング!
世界初のトーキー映画という位置づけのこの映画ですが、初めて見ることができました。主役の演じるショー(における扮装)が現代にはマッチしないことから、当時の宣伝ポスターと大きく異なる、このようなジャケットになったのだと思われます。タイトルや当時の宣伝ポスターから明るい映画を予想していたのですが、ストーリーはかなりウェットです。劇伴のみでサイレント映画のように展開する中で、急に主人公が話し出す歴史的なセリフは当時はさぞ驚かれたでしょうね。画質・音質ともに素晴らしく、当時の撮影・録音技術に驚くとともに、古典映画でもやはりブルーレイのHD画質はよいものだと再認識しました。 ジャズ・シンガー [VHS] 関連情報
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「Wait a minute, wait a minute! You ain't heard nothin' yet!」と、演奏の幕間に唐突に語り始めるアル・ジョルソン。映画が、声=台詞を獲得した瞬間として、あまりにも有名なショットだ。だが、アドリブであったとされる、この伝説的な台詞は、あくまでも無名の観客に向けられた彼の「speech」であり、決して「dialogue」と呼ぶべきものではない。ここでは、われわれは文字通り、「まだ何も聞いていない」のであり、映画とダイアローグとの真の出会いは中盤、主人公と母親の再会を描くシーンまで、待たなければならない。この再会のシーンにおける二人の自然なダイアローグは素晴らしく、歌および演奏と不可分であったために「しかたなく」同時録音された声、といった区分をはるかに越え出た、驚くべきものになっている。おそらく、それが「部分的なトーキー」であるがゆえにこそ、いっそう響くのだ。そして、それに続く主人公の歌と演奏を唐突に中断するのが、父親の「Stop!」という一喝であったことの意味は、いくら強調しても、しすぎることはないだろう。じっさい、父親によるこの厳格な「Stop!」は、『ジャズ・シンガー』という映画のダイアローグ自体を終わらせてしまうのだ。映画の終盤、主人公との和解を果たしつつ、父親は息をひきとるわけだが、その後も映画が、声=台詞を取り戻すことはない。ラストシーン、ジョルソンは、ただただ感動的に母親への想いを歌うが、もはや決して声=台詞へとは向かわない。映画は、「Stop!」という決定的なダイアローグによって、他ならぬ映画自身のダイアローグを終わらせてしまったのだ。本作の歴史的意義とは、ダイアローグの始まりと終わりの両方を、大胆にもみずから宣言してしまった、この華麗な自己言及性と、透徹した倫理的洞察にこそ存するのであり、映画史を貫いて、多くの映画作家たちを勇気づけるものであるに違いない。 【初回生産限定】ジャズ・シンガー ワーナー・ブラザース90周年記念エディション [Blu-ray] 関連情報
聞いてて思わず@(あっと)と言ってしまいました。どうして今までジャズやボサノバを聞かなかったのかと・・・。悔しくなってきましたよ。このアルバムお勧めです。 アット・ジャズ・カフェ・アネックス 関連情報