サイタマ県の片田舎で不器用にラッパー
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SRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム [DVD]
田舎とヒップホップとか、ところ構わずラップしちゃうところとか、若くもないのにとか、現実を受け入れきれないところとか、作中全体を通して痛々しさが強調されているんだが、痛々しさを見せつけたいという作意が強すぎて食傷させられてしまった。過剰すぎて飽きてしまうのである。だからラスト法事のところ、主人公の心情吐露という美味しい場面なのに、あんまりグッとこなかった。竹田岩は横から見ると人の顔が涙流しているように見えた。 SRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム [DVD] 関連情報
SR サイタマノラッパー ‐日常は終わった。それでも物語は続く‐
堅苦しいことを書くつもりはないですが、こんな文章はどうでしょう。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++「SRサイタマノラッパー(以下SR)」とは、問いを提起し、この問いに答えることで、欠けていた空白部分が少しずつ埋まっていくという性質のものではない。問いとは、人生の生と人間の歴史の内側に属するものであり、ここで生まれ、ここで死ぬ。問いに解答が見つかると、問いそのものが姿を変えてしまうことも多い。いずれにせよ、空虚な欠落部分に到達するのは、経験と知の一つの過去である。「SR」は文脈を所与のものとして受け取ることはない。「SR」は問いの起源と意味を探るために、答えの意味、問い掛ける者の身分を探るために、文脈に立ち戻る。そしてここから、すべての知識への問いを活気づけている<問い掛け>へと至るのである。<問い掛け>は、問いとは異なるものなのである。++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++この文章はメルロ=ポンティの『問い掛けと直感』という文章の「哲学」という言葉を「SR」に置き換えたものです。驚くほど、ぴったりくるじゃないですか!!だからといって「SRが哲学である」というオチをつけたいわけじゃないんです。(もちろん、実際、その側面もあるのですが)とりあえずのオチとしては「SRはとても実用的な道具である」です。説明しますね。まず、大前提としてプラグマティズムの意見を採用します。つまり、「哲学はとても実用的な道具である」ということです。冒頭の文章で「哲学」を「SR」に置き換えた理由はここです。つまり、この2ワードは交換可能であるということの証明です。たとえば、「面白かった」「感動した」「勇気づけられた」「泣いた」とかは<欠けていた空白部分が少しずつ埋まっていく>だけですから、すべて却下です。なぜならば、それらのリアクションは道具をきちんと使っていないからです。道具は使ってこそ価値が産まれます。問題なのは「どう使うか」だけでしょう。その意味で、本書はSRをそれぞれの人生でどう使っていくか、その説明書であり教科書であるという、極めて実用的なものです。もちろん、SRを最大限に活用しているのは監督及びスタッフだと思います。しかし、作品の鑑賞者だったり、この書籍の読者にだって、同じレベルでその道具を使用することができるはずです。もしかすると、この先、SRクルー以上に「上手に道具として使う」人だって、「未来へと道具を届ける」人だって、あらわれるかもしれません。(その場合、SR=道具はさしずめバトンですね)その使い方が「一歩 二歩 Keep on Moving」ってことでしょう!!せっかくの説明書なんですから、思う存分使いましょうよ、みんなで!!(サントラを聞きながら読むのが超絶オススメです!!!!!!!!!!!!!!) SR サイタマノラッパー ‐日常は終わった。それでも物語は続く‐ 関連情報
この映画は、最後に夢が叶ってハッピーエンドという単純なものではない。 うっすらと、将来への希望を匂わせただけで終わるのだ。どういう目的を持って一度東京に行ったのか分からないが、主人公のイックの同級生の千夏はAV女優だったという形で帰ってくる。そこで仕事すらしていないニートであるイックが、あまりにも非現実的な夢物語をラップで語るのを見て「宇宙人か」と揶揄する。おそらく夢破れて地元に戻ってきた千夏にとってのイックは苦々しい存在でもあり、少しうらやましい気持ちもあるのだろう。 彼女のイックに浴びせかける言葉は表面上はひどい言葉のオンパレードだが、なぜか全く悪意を感じさせない。むしろ愛情に満ちあふれているように思える。彼女が二度目の上京を決断する最後の別れの場面でイックは「がんばれよ!」と言い、それに「お前ががんばれ、バカ」と返す。お互いにエールを送り合うグッとくるシーンだ。 千夏は電車に乗り込み、イックからもらったショーグンのCDを窓の外を見ながら聞いて、小さな声で「バーカ」とつぶやいたかもしれない。もしかしたら涙もこぼれたかもしれない。二人は形は違えどそれぞれ再出発をする。それがどうなるのかは誰にも分からない。けれど彼らの夢は、まだ始まったばかりだ。 SR サイタマノラッパー [DVD] 関連情報