CJKV Information Processing
日本語情報処理の続編である。
CJKV(Chinese, Japanese, Korean and Vietnamese)の東アジア言語処理を詳細に説明している。
日本語情報処理は、日本人によらない、日本人のための、日本語によらない日本語の本だった。
英語でこの本がでたときは衝撃的だった。日本人は、EUCだとシフトJISだのについてつまらない議論をしているときに、日本人以外の人により本質的な解説をされてしまったような気がした。
本書でも、芝野耕作らの日本語文字コードの標準化を担当している方々に謝辞を送っているように、綿密な調査を行っている。
文字コードと、コード化(エンコーディング)とを分けて記述するようにしているため、実際にファイル上に存在しているコードと、コードの飜訳処理の関係をより厳密に理解できると思われる。
また、日本語の漢字表現と意味と読み方について記述しているため、日本語を理解してもらうためのよい技術書としても利用できる。
飜訳も出ていますが、英語の表現で日本語をどう説明するかを知りたいので、私が持っているのは英語版です。
ps.
その後の展開としては、日本人による日本人のための漢字のフォントである文字鏡フォントがでて、日本の先進性が確保された。中国に対しても先行していた。中国、韓国、ベトナムの標準化活動をされている方々に紹介していただけると嬉しい。
佐賀のがばいばあちゃん (徳間文庫)
ずっと絶版になっていたので文庫になったと知ってすぐに買いました。期待通り! 読んでいて心がぽかぽか暖かくなってくる本でした。洋七さんの思い出話はどれもとても優しさや暖かさに満ちています。「同じ人や出来事に遭遇しても、その経験がすてきな思い出になり宝物になるかどうかはその人の物の見方や考え方次第なんだなぁ」みたいな事をしみじみ感じました。洋七さんはとても純粋できれいな心で物事を見て、感じてきた人なんだと思います。だから、洋七さんを巡る人たちは皆とても人間味があって素敵だし、どのエピソードも暖かい。おばあちゃんの生き方もとびっきりステキだけど、それを描いている洋七さんの、おばあちゃんを思う暖かい気持ちがびんびん伝わってきて泣けました。私も、このおばあちゃんや洋七さんのように、困ったことが起きてもでーんと構えて笑い飛ばしながら、いろいろな人と素敵な関係を築いていきたいと思いました。
globe
先ず言うべきは、さすが小室氏…という情感溢れた曲づくり。日本人の琴線を揺さぶる曲は、TMN「ELECTRICPROPHET」をつくった彼ですよね。彼の星空のロマンチックさを湛えたような歌詞は、いつも聴く側を少年や少女に戻してくれます。
さて、このロマンチックな曲の50%を担うのはケイコのこえですよね。
globeが流行った頃というのは、女声のハイトーンボイスが小室氏により注目された時代でした。
しかし、ケイコの魅力というのは、むしろ中低音をうたわせたときにわかる、メゾピアノでうたわれる、彼女の優しいうたごころです。洗練されてはいない、しかし彼女の心と歌の二つだけが、田舎にいた頃から培ってきた、歌心への素直さや信頼が、この曲の素晴らしい表現を成すのでしょう。
このメゾピアノというのは、女声の魅力を最大限にひきだす表現です。思い出の甘さも辛らつさも、彼女のこえでこそ、100%ひきだされたはずです。
また、そのこころの素直を引き出させてくれるのが、小室氏のこころのロマンチックさなのでしょう。
ちなみにこのメゾピアノや中低音の魅力を引き出す小室氏は、それが上手だった宇都宮氏が傍にいましたね。彼のうたうこえから、小室氏がそういうものこそ日本人の琴線を揺らすポイントだと気付いたのかな、などとおまけとして感じています。
フォスベリー
待ちに待ってたTahiti80のニューアルバム。アルバム2曲目の「Changes」がラジオで流れ出したときは、思わず食い入るように聴いてしまうほどキャッチーなリズムときれいなボーカルです。時にヒップホップ、時にソウルをまじえたポップでありながら独特のメロディーラインを保つTahiti80は一回聴いたらやめられないかも。
今回の作品は今までのレコーディングスタイルを一新して、自分たちの専用スタジオでレコーディングを行ってからリミックス時にプロデューサーを入れる、という手法。これがTahiti80らしさを出していて、すごくはまっていると思う。
ちなみにこのCD、どの曲をとっても飽きることなくさらりと聴き続けられるという基本的要素に加えて、パソコンで再生するとChangesのPV、そして20分のスペシャル映像が見られる作りになっていて、かなりお得。買って大正解の一枚でした。