ザ・フー コンプリート・クロニクル1958-1978 ~エニウェイ・エニハウ・エニウェア
単独初来日記念として出版された本書はまさにWHOの辞書といっても過言ではありません。
その日のバンドの行動や証言が日付でまとめられています。メンバーの生い立ちからキースが亡くなるまでの詳細な内容にも驚きますが、メンバーや当時の関係者の証言が多くとてもうれしいです。自分が生まれた日にWHOが何をしていたか読むのもよし(1978年以降に生まれた方にはごめんなさい)、クラプトンなどWHOと交流のあった人々との出来事を調べるもよし、いろいろな読み方ができますよ。もちろん原書も持っていますが、WHOのことをもっともっと知りたかったので買って大正解でした!
Who Moved My Cheese?: An A-Mazing Way to Deal with Change in Your Work and in Your Life
この物語は、迷路の中で生きる2匹のねずみスニフ、スカーリーと2人の小人ヘム、ホーを中心に書かれた寓話です。いつもの所にあるはずのチーズが突然なくなった2匹と2人のとった行動は、様々でした。闇雲に探し始めるもの、チーズを待ち続けるもの...。
迷った末に勝ち取ったチーズが象徴するものは、人によって様々だと思いますが、登場人物(ネズミ)は、人生という名の迷路の住人である私たちを象徴しているのです。チーズを求め行動を起こせ!という声が聞こえてきそうな、暖かい大人のための寓話です。
一応、ビジネス理論のための本らしいのですが、人生に迷う全ての人にお勧めしたい本です。
合計6時間以上にも及ぶ特典映像の中にはROCKのマスターピースとも言える名盤「ライヴ・アット・リーズ」の映像も世界初収録されています。
リーズの映像はたった4分強ですが、リーズ大学の学生が隠し撮りをしたとされる映像はその4分強しか残っていないというのだからしかたありません。
しかし、その4分強の映像は”伝説”が”伝説”である理由を知らしめるには充分。本当によくぞ収録してくれたと涙する人も多いと思います。
また、ドラムのキース・ムーンが人前で演奏したものとしては最後とされているキルバーン・ライヴは77年に収録されてからずっと封印され続けてきた幻のライヴ。キルバーン・ライヴは全曲収録され、レコーディング前の貴重な”WHO ARE YOU?"の演奏も聴けます。
他にもロンドン・コロシアムの142分に及ぶライヴ映像や、WHOがザ・ハイナンバーズとして演奏した最初期のライヴ映像、本編映像とは違うドキュメンタリーの”シックス・クイック・ワンズ”等、貴重な映像が満載。
もちろんドキュメンタリー本編もグラミー賞にノミネートされただけあって素晴らしい出来です。
中でも長年にわたって対立していたピートとロジャーが、キースやジョンの死を経て本当の意味での親友となっていく場面は何度見ても涙してしまうくらい。
その他にも、コアなファンでも知らなかった事実や、成功し順風満帆だと思われていたTHE WHOの中にあった様々な葛藤などが描かれていて、アーティストとしてのTHE WHOだけでなく、人間として悩み・苦しみながら生きていくピートやロジャーの姿を見せてくれます。
本当にTHE WHOのファンであることに喜びを感じるとともに、このDVDを出してくれたTHE WHOのメンバー、そしてスタッフに感謝します。
チーズはどこへ消えた?
変化を察知し、積極的に対応することを説いたベストセラー。
確かに私たちは、身の回りの変化、特に不都合な変化の察知・認識が遅れがちで、また対応をなおざりにしがちである。
例えば、恋人や子供との関係が悪化しているにも関わらずずるずると放置し破局に至ったり、
売り上げが落ちてきている商品も惰性で製造・販売を継続し赤字を垂れ流す、などである。
また結婚相手が見つからないと嘆くばかりで具体的な対応や行動が伴わず適齢期を経過するのも一例であろう。
本書は物語仕立てになっているため、「変化に適用せよ」といった乾いた言葉だけより納得性が高まっている。
ただし文章の表面をさらうだけではなく、自分自身の経験に照らし合わせながら読み進める必要がある。
そうすれば、読んだ直後からあなたの行動が変わるかもしれない。
ただ、本書のエッセンスはベストセラーになるだけあり確かなものの、
高い価格を正当化するために、前後にだらだらと前置きや解説がはさまれており、引き伸ばした感じが否めなかったのは残念である。
ザ・フー:アメイジング・ジャーニー デラックス・エディション [DVD]
Disc 1は、ザ・フーの人間ドラマに焦点を当てたドキュメンタリーで、最後まで一気に見せる。それだけ出来が良く、またそれだけザ・フーが魅力的だということだろう。ただ、ピートが難聴になったことはほとんど触れられていないし、ジョンの死の具体的な詳細もぼかされている(それがわからないとケニー・ジョーンズの「思わず笑った」というコメントがあまりに不謹慎に聞こえるのだが)。それから、24年ぶりの新作アルバムをめぐるエピソードなども、もう少し入れてほしかった気もする。
Disc 2は、Disc 1と重複する箇所もあるが、メンバーごとに章立てした4章と、時代風俗との関係に注目した第5章、2003年にグレッグ・レイクも交えて「リアル・グッド・ルッキング・ボーイ」を録音したときの記録である第6章からなり、これも興味深い。
Disc 3のキルバーン・ライヴは、日本語字幕では「生前のキースが映った最後の映像」となっているが、英語字幕を正確に訳すと、彼の「最後から2番目のライヴ演奏」である。解説書のとおり、本当の「最後」は、元々映画『ザ・キッズ・アー・オールライト』用だったこれをお蔵入りにして撮り直し実際に映画に使われたものだ。とはいえ、これも貴重で、万全ではなくとも見ているうちに引き込まれる。
リーズの映像は、観客の隠し撮りによる断片的な映像の寄せ集めだが、貴重なのは確かで、しかも日本盤のみの収録。白黒だが映像はきれい。ただ、映っているのはほとんどピートとキースで、たまにロジャーといった具合。(ジョン…。)
ハイ・ナンバーズ時代の映像も驚くほどきれい。ロジャーのR&B的な歌いっぷりがカッコよい。
Disc 4は、映像も音も悪く、ステージ全体をとらえた映像では顔すらわからない。だが、アップでは多少ましになるし、演奏に引き込まれれば大して気にならない。本編の他に、「クイック・ワン」と『トミー』の全曲演奏が入っているのもよい。