たすきがけの湯布院
著者は由布院の亀の井別荘を名宿に育て上げた人物。軽妙な筆致ゆえ、すいすいと読める。
当時隆盛を極めた歓楽的な温泉街へ背を向け、自然と日常を重視した街造りを推進したという経歴から、中谷は高邁な理想を語る理論派だと勝手に想像していたが、この本から浮かび上がる著者の人物像はそれとはいささか異なる。法螺を吹くことから「ホラ健」と呼ばれた中谷の個々の行動は、真剣だか冗談だか判らないようなものが多い。また、観光客向けに新たに踊りを作るなど、一歩間違えれば山師的なところもある人物だ。しかし、一見いい加減な言動をとりながら、大変な推進力を持って理想の街造りを進めていくのだから、大した人物だ。
「機が熟していない」という理由で、1980年代以降の進展をほとんど記していないのが惜しい。続編も読みたい。
こころのうた
歌手のキャラクターだけで流行っている最近の歌にウンザリ・・。
人の心、様々な人生の背景にある景色や空気感まで想像させてくれるこのアルバムの歌達はいつ聴いてもその時の自分の気持ちにすんなりと入り込んで心地よいものばかり。
手放せない一枚です。
GOLDEN☆BEST/ふきのとう SINGLES I
懐かしいですね。やっぱり。レコードを処分してしまったのでなかなか聞くことがなかったんですが、細坪くん(自分より年上だから君はないか・・)の甘い声がふきのとうの曲や歌詞にしっくりきます。不思議なんだけど、山木さんの作曲した白い冬とか・・・もろのもの歌がイメージが細坪さんの声にベストマッチというか・・山木さんの少し太い声のハーモニーと主旋律を歌う細坪さんのふんわりしたやわらかい声ともベストマッチ。とにかく中学校から高校時代を思い出してしまう。いい。
想い出のフォーク&ポップス DQCL-1140
01.翼をください(赤い鳥)1971年
02.学生街の喫茶店(ガロ)1973年
03.結婚しようよ(よしだたくろう)1972年
04.雪(猫)1972年
05.岬めぐり(山本コウタロー&ウイークエンド)1974年
06.白い冬(ふきのとう)1974年
07.木綿のハンカチーフ(太田裕美)1975年
08.「いちご白書」をもう一度(バンバン)1975年
09.青春時代(森田公一とトップギャラン)1976年
10.迷い道(渡辺真知子)1977年
11.冬が来る前に(紙ふうせん)1977年
12.卒業写真(ハイ・ファイ・セット)1975年
70年代のフォーク・ポップスの名曲ぞろいだが、あえてお勧めをあげると「翼をください」「岬めぐり」「木綿のハンカチーフ」「迷い道」「卒業写真」というところか。
特に「翼を」「木綿の」「迷い道」の女性ボーカルの歌唱力は、今聞いてもすばらしい。